先代が会社に残っている場合、後継者が改革を進めようとしても、先代が従来の方法にこだわり、抵抗勢力になりがちです。老舗ほど踏襲したくなるものは多いでしょう。その溝を埋めるのには時間がかかり経営改革が遅れます。私はこれを経験しました。
白木屋(しろきや)グランドホテル(以下、白木屋)では、2000年に専務として私が戻ったとき、伯父で5代目社長を務めた会長の太郎(仮名)と、父で6代目社長の豪太(仮名)の2人がいました。彼らとの価値観のギャップにすごく苦しみました。
17ある宴会場が満室に
白木屋は、山口県長門市で600年近い歴史を誇る湯本温泉街にあり、1865年に創業した旅館でした。1977年には客室数118、宴会場 17の規模まで拡大しました。秋の行楽シーズンには、宴会場が満室になるほど団体客で賑わったそうです。

業績のピークは、ちょうど父が6代目社長に就いた90年。企業を中心に団体客が次々に入り、21億円の売上高を記録しました。
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