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今どきの若手スタートアップ経営者は朝礼をどう考えているのか。もはや「ブラック企業」の象徴としてしか捉えていないのか。先輩経営者であるヤッホーブルーイングの井手直行社長と、若手起業家代表としてアソビューの山野智久社長、サイトビジットの鬼頭政人社長の3人が大いに語り合った。若手起業家の本音として見えてきたのは、「朝礼は大事だと思う。けれど進め方に悩んでいる」というもの。では、今どきの朝礼はどうあるべきか。「チーム力重視の朝礼」について深掘りしてみた。

若い社員には「朝礼=ブラック企業の象徴」と考える人もいます。かたや今どきの若い起業家は朝礼をどう考えているのか。この点を探るべく今日は3人の経営者に集まっていただきました。

鬼頭:朝礼は大事だと思うんですが、ずっと悩んでいます。

鬼頭さんは、サイトビジット(東京・千代田)を設立して5年の37歳。弁護士資格を持つ起業家として注目を集め、資格学習などの教育系ネットサービスを展開しています。

鬼頭:社員3人のときから毎週月曜日に朝礼をしています。実は正社員20人を超えた1年前から社内が荒れてしまって。21人いた社員が一時、10人まで減り、思えば朝礼にも問題があった気が……。

山野:絵に描いたような「30人の壁」ですね!

鬼頭:当初は私が朝礼の司会をしていたのですが、会社員の経験がなく、大学時代は体育会系だったせいか、上意下達に傾きがちで。大量離職の後、私が前に出過ぎたと反省。みんなにもっと主体性を持ってもらおうと考え、司会をくじ引きで決めるようにしました。

 すると今度は、社員から「社長が何を考えているのか分からない」という意見が出た。そこで実は今朝から司会を私に戻しました。

進め方を工夫しないと朝礼は失敗する

順風満帆に見える鬼頭さんも組織運営では、つまずいている。

山野:僕も以前、鬼頭さんと同じようにつまずきました。

ヤッホーブルーイングの井手直行社長(写真中央)、アソビューの山野智久社長(写真右)、サイトビジットの鬼頭政人社長(写真左)の3人が朝礼について語り合った(写真:菊池一郎、以下同)

山野さんはリクリート出身で35歳。2011年に起業したアソビュー(東京・渋谷)は、体験型レジャーの予約サイトを軸に成長してきました。今ではベトナムの拠点を含め社員数は125人です。

山野:壁にぶつかったのは、やはり30人規模のとき。「ダチョウ倶楽部経営」とでも言いましょうか。「30人になると、社長と社員の意思疎通がうまくいかなくなる」というのは、起業家であればある程度誰でも耳にする話。でも、なぜか「俺だけは大丈夫」と、みんな思っている。でも、ほぼ全員、落とし穴に見事に落ちる。