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トレーナーの教育にも

 ウォーミングアップ朝礼の導入1年目は外部の人材育成のプロがトレーナーを務めていた。朝礼が浸透してきた2年目からは、「社員たちから自発的に声が上がった」(小巻館長)ため、社員十数人がこの役割を果たす。しかもほとんどが人材教育専任ではなく、アトラクションやレストラン、ショップ、清掃などを担当する社員だ。

 運営推進課主任の久保田啓子氏はその1人。毎月1回、トレーナーが集まり、ミーティングを開く。ここで朝礼のプログラムを作成している。基本的な要素は、館内の情報共有、接客のスキルアップ、モチベーションアップ、防災の4つ。これらをバランスよく組み合わせる。

 「混雑が予想される月は笑顔を絶やさず、きつい言い方にならないことを意識してもらうテーマを設定するなど、その時々の現場の状況に合わせて工夫している。夏休みなどで疲れが溜まってくるときはお客様からのうれしい手紙を紹介する」(久保田氏)。

 「朝礼を受ける側だけではなく、トレーナー側のスキルも上がる。テーマ設定の段階で、今ピューロランドで何が課題かという問題意識のアンテナが磨かれていく。さらに人材育成、マネジメントの勉強にもなる」(小巻館長)。

 朝礼の内容は週報として毎週末、全社員に送っている。これを読んだ社員から「ちょっとほかで聞いたんだけど、こんなこともやってみたら」という意見も上がってくるという。

 実際、社内の雰囲気が圧倒的に明るくなった。今まで違うコスチュームを着たスタッフ同士は廊下やバックヤードですれ違ってもあまり言葉を交わさなかったが、今は「お疲れさま」などちょっとしたあいさつをし合う。コミュニケーションが活発になった。

 とにかく全スタッフと毎日接点を持つ。愚直にも思える取り組みは二重三重の波及効果を生んだ。

(この記事は「日経トップリーダー」2019年1月号に掲載した記事を再編集したものです)

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