上田準二さんの「お悩み相談」。今回相談を寄せてくれたのは、4月に就職を控えた大学4年生。志望していた大手企業に内定した一方で、どの部署に配属されるかが心配だと明かします。上田さんは「会社の一存で決めることに、くよくよ悩んでも仕方がない。まずは置かれた場所で咲くことを考えよう」と助言します。
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悩み:大手企業への就職が決まった一方で、「配属ガチャ」が心配です。4月の入社まで、どんな心構えで過ごせばいいでしょうか?
4月に社会人となる大学4年生です。志望していた大手企業への就職が決まったのですが、日本全国に支社や営業所があり、どこに配属されるかが分かりません。転勤覚悟で選んだのではないか、と言われたらその通りですが、今になって「配属ガチャ」が心配になってきました。これから数カ月、どんな心構えで過ごせばいいでしょうか?
(22歳、男性、学生)
小笠原啓(日経ビジネス編集):2023年の大学入学共通テストの倫理の試験で「親ガチャ」(参考記事)を想起させる問題が出されました。配属先もそうですが、自分の努力では選べず運次第な「ガチャ」が、様々な場面で使われるようになってきましたね。
上田準二:まずは大手企業への就職、おめでとうございます。全国各地に拠点を構える日本企業が新卒採用をするときに、配属先を約束することはまずないでしょう。ガチャと同じで運を天に任せるしかないから不安になる気持ちは分かるけど、これは仕方ないことだと受け入れるしかない。
小笠原:上田さんは新卒で総合商社に入社しました。昭和の時代も、やっぱり最初は「ガチャ」だったのでしょうか。
上田:僕は大学で法律関係を学んでいたから、採用試験の面接官に「法務部門を希望しますか」と聞かれたんだけど、「全てが初めての経験なので、特にこだわりはありません」と答えた記憶があるよ。結局、法務部門ではなく食品の営業部門に配属されたんだけど、今から考えると会社が深く考えていたようには思えないな(笑)。
相談者さんが大学でどんな勉強をしたかは分からないけれど、会社がそれを踏まえて最初の配属先を決めるとは限らない。新入社員にどんな経験を積ませたいかは、会社が決めること。入社後2~3年たてば上司などが相談者さんの適性を見極められるようになるけれど、それまでは判断材料に乏しい。だから最初はどうしても「ガチャ」にならざるを得ないんだよね。
投稿からの推測だから、違っていたらごめんなさい。相談者さんはとりあえず大手企業に就職したいとの思いはあったようだけど、その中のどの部署で何をしたいかが明確でなかったような気がするね。もしそうなら、社会人としての最初の一歩は会社の配属ガチャで決めてもらって、そこでしっかり頑張るのがいいんじゃないかな。どの部署に配属されようが、希望していた会社で働けることに変わりはない。そういう心構えで4月を迎えよう。
小笠原:一方、最初の配属先でその後の会社員人生は大きく左右されますよね。
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