上田準二さんの「お悩み相談」。今回の相談は再就職活動を始めた34歳の女性から。以前の職場は待遇がよかった一方で、人間関係に問題があり多くの人が苦しんでいたそうです。その結果、好条件には訳があるとの思いが拭えないとのこと。上田さんは「まずは自分が職場に求められる人材になろう」とアドバイスします。

※読者の皆様から、上田さんに聞いてほしいお悩みを募集しています。仕事、家庭、恋愛、趣味など、相談の内容は問いません。ご自由にお寄せください。

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悩み:好条件で人材を募集している企業には「訳がある」との印象を抱いてしまいます。どのような考えで再就職活動を進めればいいでしょうか?

 再就職活動について上田さんのご助言をいただければと思います。

 夫の転勤に伴い、数年間、専業主婦をしていましたが、色々と事情が変わり再就職に向けて現在準備をしています。気がかりなのは過去に転職したときの経験です。好条件で転職が決まったのですが、蓋を開けてみたら「訳アリ」の職場でした。業務内容にはやりがいがあるのですが、職場の主(ヌシ)のような社員がいて、とにかく人を追い出してしまうのです。ヌシは優秀なプレーヤーである一方で人当たりが厳しく、派遣社員はことごとく逃げ、正社員は常に誰かが休職している状態でした。

 この経験から「良い話には訳がある」という印象が拭えません。現在紹介されているいくつかの職場についても何かあるのではないか、もっと低い条件の職場を探してもらう方が後々後悔しないのではないか、と考えてしまいます。また本当に良い職場なら人が辞めないため、募集しないように思います。夫は「気にしすぎだ。非正規からのスタートなのであれば合わない職場ならすぐに辞めたらいい」と言いますが、上田さんのご助言もいただければ幸いです。

(34歳、女性、主婦)

上田準二:専業主婦をされていて、再びお仕事をされるとのこと。まずは相談者さんのチャレンジを応援したいよね。働きたいという気持ちを最優先しつつ、納得できる道を進んでください。ただ忘れてはいけないのは、相談者さんが会社を選ぶのと同様に、会社も採用する相手を選んでいるということ。お互いに敬意を持って進めたいよね。

 それを踏まえてお悩みに回答したいけど、せっかく仕事をするならば可能な限り好条件で働くべきだよね。あえて条件の悪いところを選ぶ意味があるのか、冷静に考えた方がよさそうだ。

小笠原啓(日経ビジネス編集):生活のかなりの時間を費やし、ある意味で自分の人生の一部をささげるわけですからね。自分を安売りする必要はないと。

上田:どんな会社でも、実際に働いてみないと内実は分からないからね。業務内容はインターネットである程度調べられるけれど、人間関係や職場の雰囲気などは肌で感じてみないと分からないことが多い。相談者さんが前職で経験したように、想定外のこともあるでしょう。でも、だからといって、入る前から職場の人間関係を想像しても仕方がない。そういうことを心配していたら、選択肢が極めて限られてしまうでしょう。

 僕も相談者さんのご主人と同意見で、業務内容や待遇といった条件をクリアできる会社なら、まずは入ってみるべきでしょう。業界大手の優良企業だからといって、パワハラと無縁でいられるわけじゃない。同じ会社でも部署によって雰囲気は大きく変わるしね。合わなければ無理して続けず、次の職場を探せばいいのだから。

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