上田準二さんの「お悩み相談」。今回の相談は新型コロナウイルスに感染した後、職場で孤立しているという53歳の女性から。発熱した翌日に出社したことで、同僚から反発されているようです。上田さんは「同僚からのアクションを待っていてはダメだ。井戸端会議のネタを提供するつもりで話しかけよう」とアドバイスします。

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悩み:新型コロナウイルスに感染した後、職場で孤立しています。どうすれば再び同僚と仲良くできるでしょうか?

 新型コロナウイルスに感染し、療養した後に復帰したのですが、会社で孤立しています。9月中旬のある晩のこと。喉と体の節々が痛くて熱っぽかったので、風邪かと思って体温を測ったところ、やや熱がありました。翌日の朝に再び体温を測定したところ、平熱に下がっていたので出社しました。

 出社した日のお昼休憩のとき、上司から「熱があったのなら体調不良の理由で休んだらよかったのに」と言われたので「昨晩は熱がありましたが、今朝は下がりました」と返事しました。すると上司から「念のために検査してください」と指示され、無料でPCR検査を受けられるところに行ったり、抗原検査キットを購入して使ったりしたところ陽性反応が出て新型コロナ感染が判明しました。

 規定の自宅療養期間を終えて改めて出社したところ、社内の雰囲気が以前とは異なっていました。仲のよい同僚に聞いたところ「熱があるのに出社するなんて非常識だ、と部署の全員が怒っているとのことでした」。再び出社するようになってから半月以上が経過しましたが、誰も話しかけてくれません。「非常識で申し訳ありません」と謝罪したい気持ちはあるのですが、なかなか話しかけづらい雰囲気です。

(53歳、女性、会社員)

小笠原啓(日経ビジネス編集):新型コロナに感染した相談者さんはお気の毒でしたが、陽性が判明した後の職場も大変だったでしょうね。濃厚接触者がいた場合は念のため検査を促すことになったでしょうし、相談者さんが抱えていた仕事の割り振りも見直す必要が出てきます。

上田準二:こういう場合は初動対応が肝心になるけど、相談者さんの上司がファインプレーだったね。何らかの兆候から相談者さんの異変を察知し、検査を促したからこそ陽性が判明したわけだから。上司による声がけの大切さがよく分かるよね。極めて適切な対応をしたと思うよ。

 同僚の反応は「さもありなん」といったところかな。部署の人たちは相談者さんが新型コロナに感染し、仕事のしわ寄せが来たことに腹を立てているわけじゃないでしょう。前日に熱があったにもかかわらず出社したことで、余計な手間が増えた点に怒っているはずだ。大事を取ってお休みしていれば、こうした悩みは生じなかったんじゃないかな。

小笠原:昭和の時代であれば、熱があっても会社に来る根性が褒められたかもしれませんが、今は全く違いますからね。

上田:相談者さんの仕事内容が不明だから断定的なことは言いにくいけれど、判断ミスがあったのは間違いなさそうだ。外野の勝手な意見だけれど、相談者さんに休む勇気があればよかった。次につなげるためにも真摯に反省して、その気持ちを職場の同僚に伝える必要があるでしょう。

 ただ、同僚の全員が本気で怒っているわけではないでしょう。単に「井戸端会議」の格好の題材になってしまったんじゃないかな。

 以下は100パーセント僕の空想だけれど、こんな会話がなされていても不思議ではない。「新型コロナに感染した○○(相談者)さん、陽性が分かった前日には発熱していたらしいよ」。「にもかかわらず、熱が下がったタイミングで出社したんでしょ」。「非常識じゃない?」。「信じられないよね」。何となく想像できないかい?

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