上田準二さんの「お悩み相談」。今回の相談は上司に振り回されている44歳の女性から。結論に至りそうなタイミングで「ちゃぶ台返し」を繰り返し、チームのメンバーを論破することで雰囲気が悪化しているといいます。上田さんは「あえて正論を言い続けることが使命だと考え、モチベーションを維持しよう」と話します。

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悩み:議事録に残しているにもかかわらず、「忘れた」という理由で「ちゃぶ台返し」をする上司に困っています。心が壊れる前に逃げたほうがいいでしょうか?

人材業界の管理部門で働いています。上司である部門長が、“ここで決めてほしい”というタイミングで結論をひっくり返すので困っています。たどり着くべき結論を事前にすり合わせしても、その結論を議事録に残していても、本人いわく「忘れた」という理由で「ちゃぶ台返し」をするのです。しかも検討経緯や部下の心情などを顧みず一方的に論破してくるので、私を含む部門メンバーがことごとく傷ついている状況です。私は部門長に対して「あなたは人の心が分かっていない」と何度もクレームを入れていますし、彼のさらに上の上司(管理本部長)も本人に同じフィードバックをしているようなのですが、全く改善されません。管理本部長には、心が壊れる前に異動か転職をしたいと伝えましたが、このような部門長からはやはり逃げるしかないのでしょうか。

(44歳、女性、会社員)

上田準二:悪い意味で感心するんだけど、この部門長はよく地位を保っているよね。相談者さんを含めた全メンバーが傷つき、こんな人の下では働けないと言っているんでしょう。しかも部門長の上司も状況を把握している。職場で総スカンを食らっていてもなお重要な役職に居続けられるのは、別のところですごい実績があるからだろうね。

小笠原啓(日経ビジネス編集):鈍感力というか、かなりずぶとい神経の持ち主であることもうかがえます。でなければ部下の不満を押し切って「ちゃぶ台返し」なんてできませんからね。

上田:こうした上司の指示を、いちいち真に受けていては相談者さんの言うように精神のバランスが保てない。異動希望を出したり転職を考えたりするのが王道だけれど、他にも道がありそうだ。

 まずは感情を押し殺して「面従腹背」に徹すること。差し障りがあるから具体名は言えないけれど、僕がかつて所属していたある会社に似たようなトンデモ部門長がいた。朝令暮改は当たり前で、矛盾した指示を下すことも珍しくない。にもかかわらず、その部門の業績は右肩上がりを続けていた。理由は明確で、ナンバー2の部長がすごかったからなんだよね。

 部門長に直接指示されたときは「はいはい、左様ですね、承知しました」と返事するんだけど、自席に戻ったら「あんなバカの言うことを聞く必要はない」と部下にはっきり言うんだよ。そして、同じように考えている別の部長と示し合わせて正しいと思う道を進み、結果が出るまで黙っているわけ。

小笠原:業務命令を半ば無視することになりますね。

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