上田準二さんの「お悩み相談」。今回の相談は、管理職への昇進を控えた38歳の女性から。会社が女性登用の方針を掲げる一方で、女性が管理職になっているのはスタッフ部門が多いことに疑問があるようです。上田さんは「相談者さんが先駆者になれるチャンスがある」と励まします。

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>>悩みの投稿<<

悩み:女性登用を掲げる一方で、昇進できる「場所」が限られているような気がします。海外駐在などでは男性が優遇され、会社側の本音と建前が透けて見えるようです。

 食品を扱う企業で総合職として働いています。相談したいのは、男女の昇進格差についてです。勤めている会社では数年前に女性登用を宣言し、管理職を増やすために数値目標を掲げるようになりました。

 その後、課長や部長に昇進する女性が増えているのは間違いないのですが、総務や人事、広報などのスタッフ部門ばかり。営業などの最前線では、今でも男性が枢要な地位を占めています。

 海外に赴任するのも男性の方が多く、会社側の「本音」と「建前」が透けて見えるようです。残業や飲み会も断らず「男性並み」に働く女性なら昇進の道が開けるのかもしれませんが、私としてはちょっと違和感があります。管理職になれるかどうかは自分自身の頑張り次第だと思いますが、何かアドバイスをいただければと思います。

(38歳、女性、会社員)

上田準二:相談者さんの職種については書かれていないけれど、投稿から推測すると営業などの最前線で働いている可能性が高そうだ。そういう前提で話を進めようか。

 お勤めの会社では女性登用を積極化している一方で、これまで管理職に昇進したのは人事などのスタッフ部門ばかり。相談者さんが今の部署に居続けた場合、果たして管理職になれるのかどうか不安に思っている、ということだね。僕はむしろ、営業部門にとどまって頑張った方が昇進につながる可能性が高いと思うよ。

小笠原啓(日経ビジネス編集):長らく男性優位が保たれていて、旧態依然とした働き方を求められかねないのに、ですか?

上田:株式相場では「人の行く裏に道あり花の山」って言うじゃない。誰も行かないような道に分け入る勇気が大事だという格言だけど、「逆張り」の視点で今の状況を考えてみようか。

 日本の大企業の多くはSDGs(持続可能な開発目標)を掲げ、ジェンダー平等を実現するため様々な努力を続けているよね。女性が管理職や取締役として活躍できるよう、門戸を拡大しつつ教育環境を整備することが重要な経営課題になっている。こうした流れに沿ってお勤めの会社でも女性管理職を増やしてきた一方で、まだまだ道半ばなのでしょう。日本の経済社会の縮図と言っていいかもしれないね。

 でも、今後数年間で状況はがらりと変わる可能性がある。SDGsの理念に沿ってあらゆる部門でジェンダー平等を進める場合、次はどこで女性管理職が登場するだろう?

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