上田準二さんの「お悩み相談」。今回は趣味のブログを運営する36歳男性からの相談です。世間知らずな若い女性だと勘違いして送られてくるコメントに頭を悩ませているのだとか。上田さんは「誤解を招くほど繊細な文章が書けるのはうらやましい。特技だと考えた方がいい」とアドバイスします。

※読者の皆さまから、上田さんに聞いてほしいお悩みを募集しています。仕事、家庭、恋愛、趣味など、相談の内容は問いません。ご自由にお寄せください。

>>悩みの投稿<<

悩み:趣味のブログでなぜか若い女性だと勘違いされています。対処法をご教示いただければと思います。

 上田さん、こんにちは。趣味のブログをやっています。個人情報は極力出さず、ブログにコメントを下さる方々とは趣味の話で楽しくほどよい距離感でやりとりしています。しかし定期的に数名、私のことを若い女性だと勘違いしてコメントを送ってくる方がいます。「この分野(趣味)もこれからは多様性が大事だから女子は大いに歓迎します」「粋な趣味の女の子が増えましたね、かっこよくていいと思いますよ」というたぐいのコメントです。

 例えば私が「最近仕事が忙しくて趣味の活動ができませんでした」とブログに書くと、「若いうちに仕事を頑張るのは良いことです」や「時間の使い方への振り返りはしていますか?」など、いかにも一昔前のオヤジの仕事論のような長文コメントも届きます。いずれもなぜか私を若く世間知らずな女性とみなしているようです。

 妻にブログを見せても勘違いを生みそうな文章ではないと言われました。趣味は趣味として楽しみたい気持ちが大きく、個人情報を出すことにためらいがあります。どのように対処すればいいか、アドバイスをいただければ幸いです。

(36歳、男性、会社員)

上田準二:年代や性別にかかわらず多くの読者を集めている人気ブロガーからの相談だね。繊細で感性豊かな文章を紡げる相談者さんを女性だと錯覚している人がいて、上から目線でコメントを送ってくると。コメントの主がどういう人かは定かじゃないけれど、「一昔前のオヤジ」の中には若い女性に対して指導というか説教というか、とにかくアドバイスをして満足感を得たい人が一定数いるからね。若い男性にあれこれ世話を焼きたがる中年女性も一部いるから、性別を問わず多くの中高年が陥る心理なのかもしれないね。46歳の中年男性である小笠原君はどう思う?

小笠原啓(日経ビジネス編集):自分は違うと信じたいですね。

上田:さて、どうだろう。今度、後輩の女性記者に聞いてみたらいいんじゃないかな(笑)。いずれにしても相談者さんのブログはそうしたオヤジに好んで読まれ、彼らにアドバイスの機会を提供することで自己満足に浸らせてあげている。書いてある趣味の情報はもちろんだけど、様々な意味で社会に貢献しているブログなのだと思いますよ。

 一方で、女性と勘違いされるのが我慢ならないのなら、別の方法を考えた方が良さそうだ。

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