上田準二さんの「お悩み相談」。今回の相談は新卒2年目という24歳の女性から。学生時代から希望していた職種に就けたのに、部署が閉鎖されてもやもやしているのだとか。上田さんは「やりたかった仕事を取り上げられたという、他人に責任を押しつけるような感覚は早く捨てよう」と助言します。

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>>悩みの投稿<<

悩み:学生の頃から希望していた仕事に就けたのに、部署が閉鎖されることになりました。これからどうすればいいでしょうか?

 メーカーにて企画・3D設計・販促デザイン作成を主業務とする新卒2年目の者です。学生の頃からやりたかった職種、働きたかった会社の新規事業部で働いていましたが、昨今の新型コロナウイルス禍や原価高騰、主力事業を標的にした新たな規制などを受けて、先日部署が休止となることが決定しました。近々人事の方と面談があります。

 総合職で採用されているため、どこかに異動することになりそうですが、自分自身が大学から入社してこれまでに得たスキルを生かせる部署が社内にはなさそうです。営業・広報などの部署(やったことがないので勉強しなければならないことが多そう)でマイナススタートか、別の新規事業部(スキルをやや生かしつつ新しいことができそう)でゼロスタートか、同業他社に転職するか(情勢的には自社よりマシ、ただし自分のレベルではややスキル不足)の選択を迫られています。

 もっと早く社会人になれていたら、事業の立ち上げ当初から関われていたら、営業がもっと力を入れてくれていたら、開発を凍結された新商品さえ出すことができていたらと、どうしようもないことばかり考えてしまいます。しかし、目の前の業務を片付けつつ、決めなければなりません。どの選択をしても自分自身のために全力で取り組むのは当たり前ですし、今までは運良くやりたいことをさせてもらえただけなのも分かってはいるのですが、一番やりたかったことを取り上げられ、今後自分がどうなりたいか何をしたいかまで考えが及びません。人生の先輩方がこのような状況に陥ったときにどう考えるのかお聞きしてみたいです。

(24歳、女性、会社員)

小笠原啓(日経ビジネス編集):せっかく希望した仕事ができると思ったのに、新卒2年目で意に沿わない異動を迫られている。社会人になって初めての挫折を経験している、ということでしょうか。

上田準二:まずは「一番やりたかったことを取り上げられた」という感覚は捨てた方がいいよね。配属されていた部署は利益を生まなくなり、会社の事業戦略にそぐわなくなった。だから経営者が休止の決断を下したのでしょう。会社としては相談者さんのような人材を配置転換して、もっと稼げる部署で能力を発揮してもらいたいと考えている。そのために人事部門との面談があるわけだ。

 そもそも会社は、自分の好きなことだけをやらせてくれる場所じゃない。利益成長につなげるために様々な部署を設置し、社員の適性を見ながら異動させるのは当たり前のこと。個人の好き嫌いで業務を割り振るのは、会社組織と言えるのだろうか。

小笠原:今回は辛口ですね~。75歳を超えた大企業の元社長に正論を突きつけられながら説教されたら、20代の若者は反論できませんよ。

上田:そ、そうかな(冷や汗)。でも相談者さん自身が「全力で取り組むのは当たり前です」という意識を持っているようだから、多少厳しくても受け止めてくれるんじゃないかな。

 これまで通り、好きな仕事だけを社会人として続けたいのなら、同業他社に転職すればいいでしょう。だけど投稿にもあるように、相談者さん自身が今の能力では通用しないことを認識している。一方で部署がなくなってしまうと、お勤めの会社で好きな仕事に関するスキルを積み重ねるのは難しい。

 ならばどうするか。

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