子供に「無理強い」するのは禁物
海外留学経験がある相談者さんなら検討済みだろうけど、まずは通っている学校の交換留学制度を使うのがいいだろうね。お子さんが高校生か大学生かは投稿には書かれていなかったけれど、日本の教育機関からさまざまな支援を受けられるメリットは大きい。授業料は軽減できるし、ビザ申請やステイ先の確保などでもサポートがあるだろうから安心だよね。奨学金の活用も積極的に考えたいね。
小笠原:交換留学制度を使えない場合はどうすればいいでしょうか?

上田:僕がファミリーマートの社長をしていた頃、相談者さんと同じぐらいの年齢で子供2人を海外留学させていた管理職がいた。教育熱心な男だなと気になっていたので、酒の席で冗談交じりに尋ねてみた。「ファミリーマートの給料はそんなにいいのかい?」と。
小笠原:社長に聞かれるとドキリとしますね。
上田:あっさり「無理に決まってるでしょう」という答えが返ってきたけどね(笑)。「なら、どうしているの?」と重ねて聞いたら、銀行から留学ローンを借りていると言うんだよね。改めて最新事情を調べたところ、日本政策金融公庫が「国の教育ローン」という教育一般貸付を提供しているね。世帯年収などの条件はあるけれど、使い勝手は良さそうだ。民間の金融機関が提供しているローンも数多いから、まずは徹底的に比較検討したらどうだろう。
とにかく相談者さんに伝えたいのは、思い悩んでいるうちに子供が育ってしまうということだね。青春時代は二度とない。息子さんか娘さんに教育機会を与えたいと考えているなら、どこかのタイミングで腹をくくるしかないでしょう。今の給料では払えないと思考停止に陥る前に、まずは行動に移してみよう。
40代後半は、一生のうちで最もお金がかかる年代でしょう。子供が留学するなら、教育負担がより一層重くなる。ただそれは、3~4年のことですよ。ハーバードのような超一流大学なら別だけど、もっとリーズナブルな費用で留学できる高校や大学は探せばきっとあるはずだ。1年前後の短期留学という選択肢もある。
小笠原:特に語学は、頭が柔軟な若いうちに身に付けた方がいいですよね。
上田:そうだよね。注意したいのは、絶対に無理強いしないことかな。お子さんが望んでいないのに海外留学させると、逆効果になりかねない。家族で会議を開いて、意思を固めることが先決だろうね。
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