上田準二さんの「お悩み相談」。今回は社内のお悩み相談窓口になっている38歳の女性から。お昼時などに後輩に対する愚痴を聞くたびに、放っておいてよいのだろうかと悩むそうです。上田さんは「話を聞いてあげるだけで問題の半分以上は解決する。行動を起こすと逆効果だ」と助言します。

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悩み:お昼時などに社内の人たちから後輩や部下に関する愚痴をよく聞かされます。改善に向けて何か行動した方がいいでしょうか?

 上田さん、編集部の皆さん、こんにちは。いつも楽しみにしております。職場でのコミュニケーションについて相談させてください。

 管理職コースではない私は、一昔前の言葉で例えるなら「一般職のお局様(おつぼねさま)」のようなポジションにいると見られているようです。そのため、社内の人たちからたまに後輩や部下に関する愚痴を聞かされることがあります。ところが新型コロナウイルス禍のせいなのか、一部の人は「鶏が先か卵が先か」といった悪循環に陥っているようなのです。

 大きく2つのパターンがあります。

 まずは「部下(後輩)の話が長い」というもの。上司がとても細かい点まで聞きたがることで、部下があらかじめ上司の疑問を想定して長い説明をしてしまうケースがあるようです。上司が自身の経験から部下の仕事ぶりを勝手に推測してしまうことを危惧するあまり、長々と説明することもありそうです。

 もう1つは「部下(後輩)が働かない」という悩みです。仕事ぶりが怪しい部下に対して上司が細かく指導や管理をすると、部下が言われたことしかしなくなる。すると消極的な部下に上司が怒り、さらに細かく指導や管理をしようとする。

 恐らく双方に事情はあるのでしょうが、私から見るとこのような状況です。単なる愚痴ならば「そうですか、それは大変ですね」と聞き流せばよいのですが、上司や先輩側も何とかしたいという気持ちを持っています。コロナ禍前は彼らと休日の付き合いもありましたが、今はお昼休憩で立ち話をする程度です。

 こういったことは余計なことはせず、放っておけばよいでしょうか。もし話すのでしたらどのように伝えたらよいでしょうか。よろしくお願いいたします。

(38歳、女性、会社員)

上田準二:大企業でも中小企業でも同じだろうけれど、中間管理職が気軽に話ができる相手は、会社である程度の経験を積んで組織のことがよく見えている相談者さんのような存在なんだよね。

 僕も昔はそうだったよ。仲良しの女性社員のところにぶらっと立ち寄っては、「あの課の新入社員は」とか「最近転勤してきたあの女性は」とか、他愛もない話をするわけだ。職場の潤滑油というのかな、とても重要な役割を果たしていると思いますよ。

小笠原啓(日経ビジネス編集):適度にサボれて気分転換にもなりますしね。

上田:そうそう。だから結論から言えば、相談者さんは話を聞いてあげるだけでいいんだよ。そういうことを言ってくる人は、日ごろの鬱憤みたいなものを口にするだけで気持ちが落ち着くんだから。ただ「うんうん」「そうだよね」とうなずきながら、話に乗ってあげれば相手の心は癒やされる。そういう存在なんだと認識すれば、今感じているもやもやはすっと消えるんじゃないかな。

小笠原:そんな回答で相談者さんは納得するでしょうか? 職場環境を改善するために一役買いたい、という意識があるようです。

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