避けられない運命とどう向き合うか

上田:部長職まで務めたキャリアを買ってくれる企業ならいいだろうけど、そういう巡り合わせはあるのかな。内容次第だけれど、資格を取ったぐらいではなかなか道は開けないと思うよ。現実問題として58歳という年齢で転職先になじみ、業務を覚えるのはかなり難しい。同じ業界で経験者を募集しているようなケースでない限り、今の会社にいた方が幸せな気がするけどね。

小笠原:「生涯現役」でありたい、という相談者さんの深層心理がお悩みの根源かもしれません。

1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年に伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、99年に食料部門長補佐兼CVS事業部長に。2000年5月にファミリーマートに移り、2002年に代表取締役社長に就任。2013年に代表取締役会長となり、ユニーグループとの経営統合を主導。2016年9月、新しく設立したユニー・ファミリーマートホールディングス(現ファミリーマート)の代表取締役社長に就任。2017年3月から同社取締役相談役。同年5月に取締役を退任。趣味はマージャン、料理、釣り、ゴルフ、読書など。料理の腕前はプロ顔負け。2019年5月末に相談役を退任。(写真:的野弘路)
1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年に伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、99年に食料部門長補佐兼CVS事業部長に。2000年5月にファミリーマートに移り、2002年に代表取締役社長に就任。2013年に代表取締役会長となり、ユニーグループとの経営統合を主導。2016年9月、新しく設立したユニー・ファミリーマートホールディングス(現ファミリーマート)の代表取締役社長に就任。2017年3月から同社取締役相談役。同年5月に取締役を退任。趣味はマージャン、料理、釣り、ゴルフ、読書など。料理の腕前はプロ顔負け。2019年5月末に相談役を退任。(写真:的野弘路)

上田:かもしれない。だけど、役職定年制を採用している会社の社員である以上、そこはきちんと整理しないとね。ファミリーマートにも役職定年はあったけど、僕は社長として「気持ちを切り替えて、新しいミッションを遂行してほしい」と伝えていた。すなわち、後を継いだ部長や課長の良き助言者となって、適切にアシストしてくれることを期待していたんだよね。

 相談者さんが自分の経験や知識を存分に使って活躍したいという気持ちはよく分かる。働きがいを求めて転職を検討するのも理解できる。だけど、「今の自分が嫌だから」という理由で動くのは決してお勧めできないね。慣れ親しんだ仕事ではなく、新しいミッションに挑むのも会社員にとっては重要なことだよね。

小笠原:自分の決断ではなく、年齢によって一律に進路が決まってしまうことへの不満がありそうです。

上田:でも、役職定年というのはそういう仕組みなんだよね。制度に直面しているのは相談者さんだけではないでしょう。前任の管理職も、自分の意に沿わない形でポストを譲ったのかもしれない。後任の部長も、数年後には相談者さんと同じ悩みを抱えるんじゃないかな。

 取締役にならない限り、ほとんどの会社員はいつか定年や役職定年を迎えることになるでしょう。日本で会社勤めをするなら、この問題を避けては通れない。不満を抱えて生きるのか。それとも現実と折り合いをつけて、前向きな考えで取り組むのか。会社員人生の集大成として、どちらの道を選ぶかは相談者さん自身が決めることです。

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12/15ウェビナー開催、「外食を救うのは誰か」第1回――すかいらーく創業者の横川氏が登壇

 新型コロナウイルスの感染拡大から3年目となり、外食店に客足が戻りつつあります。一方、大手チェーンが相次ぎ店舗閉鎖を決定するなど、外食産業の苦境に終わりは見えません。どうすれば活気を取り戻せるのか、幅広い取材を通じて課題を解剖したのが、書籍『外食を救うのは誰か』です。
 日経ビジネスLIVEでは書籍発行に連動したウェビナーシリーズを開催します。第1回目は12月15日(木)19:00~20:00、「『安売りが外食苦境の根源だ』ファミレスをつくった男が激白」がテーマです。講師として登壇するのは1970年にファミリーレストラン「すかいらーく」1号店を開業した横川竟氏と、外食経営雑誌『フードビズ』の神山泉主幹です。書籍を執筆した記者の鷲尾龍一がモデレーターとなり、視聴者の皆様からの質問もお受けします。ぜひ、議論にご参加ください。

■日程:12月15日(木)19:00~20:00(予定)
■テーマ:「安売りが外食苦境の根源だ」ファミレスをつくった男が激白
■講師:横川竟氏(すかいらーく創業者、高倉町珈琲会長)、神山泉氏(外食経営雑誌『フードビズ』主幹)
■モデレーター:鷲尾龍一(日経ビジネス記者)
■会場:Zoomを使ったオンラインセミナー(原則ライブ配信)
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■受講料:日経ビジネス電子版の有料会員のみ無料となります(いずれも事前登録制、先着順)。有料会員以外は3300円(税込み)となります。
※第2回は詳細が決まり次第ご案内します。

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