上田準二さんの「お悩み相談」。今回の相談は58歳の女性から。役職定年をきっかけに社内の情報が回ってこないケースが増え、疎外感を抱いているのだとか。上田さんは「会社が求める役割が変わったことを自覚して、気持ちを整理しよう」とアドバイスします。

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悩み:役職定年となって部長職から退いたことで、社内の情報が回ってこないケースが増えました。ものすごく疎外感があって毎日しんどいです。

 今年、役職定年となり部長職から退きました。これまで部下だった課長が部長になり、私が部下になりました。私はシニアマネジャーという肩書で管理職ではありますが、部下はいません。業務はこれまで通り開発営業を担当していますが、開発の実務は手掛けていません。また営業に関しても若手に譲るよう言われています。

 当たり前だとは思いますが、社内の情報が回ってこないケースが増えました。周囲はそんなつもりはないと思いますが、ものすごく疎外感があります。毎月の給料は数万円ほど下がりましたが、あと1年半は管理職ですので、他で働くよりはマシかなと思います。現状に早く慣れなければとは思っていますが、心がついて行けてない感じです。資格を取って転職しようかなとも考えていますが、何がいいのかも分からず、毎日しんどい日々です。

(58歳、女性、会社員)

上田準二:一般的な企業だと60歳が定年で、それ以降も働く意志があれば65歳まで再雇用するケースが多いよね。相談者さんは現在58歳だから、本当の定年までもう少し。会社員人生の大団円を迎えようとしているわけだ。そうした中で役職定年となり、部下が持ち上がる形で上司になった。さて、会社は相談者さんに何を期待しているのだろうか。

小笠原啓(日経ビジネス編集):後進の育成でしょうか。

上田:そうだね。相談者さんはまだ第一線のプレーヤーでいたいようだから、納得できない気持ちがあるのでしょう。でも、会社組織で働く以上は自分の立場を見つめ直す必要があるだろうね。

 会社あるいは後任の部長は、最近まで組織を率いた経験と知識を生かした側面支援を相談者さんに期待しているはずだ。第一線のプレーヤーではなく、一歩引いた立場からバックアップするアドバイザーという役割だよね。かつての部下が上司になったことをネガティブにとらえるのではなく、まずは気持ちを整理して自分に求められていることを理解しよう。

 そうすれば自然と、置かれている状況を見つめ直せるはずだ。プレーヤーでなくなった以上、最新の情報が回ってこないのは当たり前。相談者さん自身が現役だった頃も、役職定年を経た人には情報が回っていなかったんじゃないかな。日々の業務に忙殺されている頃とは違う視点で、必要なときに適切なアシストやアドバイスをする立場になったんだと認識しましょう。まずはそこからかな。

小笠原:資格を取って転職することも検討しているようです。

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