上田準二さんの「お悩み相談」。今回の相談は32歳の女性会社員から。職場の若手や後輩が戸惑っている姿を見ていると、声を掛けたくて仕方がなくなるのだとか。上田さんは「何かを強制するのではなく、May I help you? というぐらいの気持ちで接しよう」とアドバイスします。

※読者の皆様から、上田さんに聞いてほしいお悩みを募集しています。仕事、家庭、恋愛、趣味など、相談の内容は問いません。ご自由にお寄せください。

>>悩みの投稿<<

悩み:若い人を見るとお節介を焼きたい気持ちになってしまいます。抑える方法はありますか?

 いつも楽しく拝見しています。職場の若手や自分のチームの後輩を見ると「大丈夫だろうか? そんなに時間がかかって何かてこずっているのだろうか?」などと気になってしまいます。

 しかし上司が注意しているわけでもなく、本人からのヘルプも出ておりません。何より私自身も若い頃、アドバイス(という名のお節介・干渉、的外れなアドバイス、そこから始まる壮大な昔話)を“ありがた迷惑”だと感じたことがあります。

 自制できなくなっては本格的に老化の始まりになるかもしれません。求められていないところで“善意”によるお節介をせずに済む方法があれば教えていただきたく存じます。よろしくお願いいたします。

(32歳、女性、会社員)

小笠原啓(日経ビジネス編集):人生経験を積んだ年配者の投稿かなと思いましたが、相談者さんはまだ32歳。中学生でも学年が上がると「先輩風」を吹かせるようになりますが、年下の相手にあれこれ言いたくなるのは人間という生き物の特徴なのでしょうね。

上田準二:だと思うよ。ついつい、若い人にアドバイスしたくなっちゃうんだよね。今回は相談者さん「本人からのヘルプ」がきっかけだから、迷惑がられることはないかな。堂々とお節介を焼かせてもらいましょう(笑)。

 まずは相談者さん自身が一度、我が身を振り返る必要があるだろうね。若い頃は、頼んでもいないのに余計なお世話を焼かれたり、なんだかんだと言われたりするのがものすごく嫌だったわけでしょう。的を射たアドバイスをしているつもりでも、聞く側からすればピントが外れているケースはかなり多いよね。若手だった頃の相談者さんがどう感じていたかを自問自答してから、行動を起こすかどうかを決めた方がいいね。

小笠原:本人は自信満々でも、努力する方向が間違っている若手がいるとしましょうか。助けを求めてはいないようだけれど、経験を積んだ年長者の目からは、遠からず失敗する可能性が高いように見える。さて、アドバイスすべきかどうか。

上田:失敗した後であれこれ言うと、「分かっていたなら最初から教えてくださいよ」と反発されるだろうから、一声掛けておいた方がいいかもしれない。ただし、最初から頭ごなしに否定しては駄目でしょう。「何か相談に乗れることはある?」という程度で話しかけよう。

 英語で表現するなら「May I help you?」という気持ちが適切かな。「you must do~」や「Why don’t you~」みたいな言い方ではなくて、「お手伝いできますか?」ぐらいがちょうどいいよね。そうすると、相談者さんが善意で聞いているんだと若手社員も分かってくれるはず。

次ページ 「元気かい?」と聞くだけで十分なことも