上田準二さんの「お悩み相談」。今回の相談は臨床検査技師として働く58歳の女性から。職場を率いる部長は居眠りと遅刻の常習犯で、直属の上司は仕事を押しつけてすぐ帰るタイプ。どうやってモチベーションを保てばいいか悩んでいるそうです。上田さんは「うまく操縦するためには、時に相手に合わせることも必要だ」と助言します。

※読者の皆様から、上田さんに聞いてほしいお悩みを募集しています。仕事、家庭、恋愛、趣味など、相談の内容は問いません。ご自由にお寄せください。

>>悩みの投稿<<

悩み:3年後に定年を迎えるのですが、上司との付き合い方に悩んでいます。業務と無関係なYouTubeをずっと見ているくせに、高圧的に「部長と呼べ」と命じてきます。精神衛生を保つために、尊敬できない上司とどう向き合えばいいでしょうか。

 臨床検査技師として健診機関で働いています。勤怠・シフトの管理や後輩の指導、物品管理、医師との調整などが主な仕事で、隙間を見つけて検査業務もしています。どうすれば定年まで仕事を続けられるかが目下の悩みです。

 職場を率いる部長は管理職になる前は居眠りと遅刻の常習犯で、現在は業務と無関係のYouTubeをずっと見ています。私にとっては後輩なのですが、「部長と呼べ」と高圧的に接してきます。直属の上司は優秀ですが「私の仕事ではない」との口癖で仕事を押しつけ、定時で帰るような人です。

 私は新卒で入社し、離婚を経て今のパートナーと娘たちを育てています。娘たちには真面目に働いていれば女性でも活躍できるという姿を見せたいのですが、現実はそれとは正反対です。パワハラやセクハラが野放しになっていて、身を守るためにメンタルヘルスの勉強をしなければならないくらいです。幸いなことに、娘と同じ年ごろの職員がどんどん入社してきて、私を慕って助けてくれます。彼女らの存在があるから、かろうじて仕事を続けられている状態です。

 これから定年までの3年間、どのように過ごせばいいでしょうか? 転職活動はいたしましたが、年齢のせいか能力が足りないのか実現いたしませんでした。

(58歳、女性、団体職員)

上田準二:相談者さんにとってこれからの3年間は、仕事人生の集大成になるよね。新卒で入社してから30年以上働いてきたのだから、前向きな気持ちで定年を迎えるのが最優先。まずはこれを念頭に置いておきましょう。

 そのうえで、今の不満をどう解決するか。まずはYouTube部長から。部長と呼んでほしがっているのなら、呼んであげたらいいんですよ。それだけで気持ちよくなってくれるんでしょう。

小笠原啓(日経ビジネス編集):言うだけなら「ただ」ですしね。

上田:そうそう。僕も数十年にわたって会社員をやったけど、ある時期は誰彼構わず「社長」って呼んでいたね。直属の課長はもちろん、同期でも後輩でも○○社長って話しかけていたくらい。「おいおい上田、俺のことをからかっているのか」と言われることもあったけど、「いやいや、もう社長みたいに尊敬していますよ」と返すのがいつもの流れだった。そのうちに、僕自身が社長というニックネームで呼ばれるようになったぐらいだよ。

 ちょっと横道にそれてしまったけれど、要するに、部長と呼ばれることで自分の権威を確認したい人に対しては、お付き合いしてあげればいいんですよ。

小笠原:年下から高圧的に命令されると、ついつい反発してしまいますよね。しかも部長は居眠りと遅刻の常習犯。昔の姿を知っている相談者さんはなおさら、苦々しく思うのかもしれません。

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