上田準二さんの「お悩み相談」。今回の相談は経理に関わる41歳の女性から。2年近く前に転職したところ、毎日の朝礼で社長が暴言を繰り返すのに耐えられないのだとか。上田さんは「汚い言葉を聞くのも給料の一部だと考えて受け流そう」と助言します。

※読者の皆様から、上田さんに聞いてほしいお悩みを募集しています。仕事、家庭、恋愛、趣味など、相談の内容は問いません。ご自由にお寄せください。

>>悩みの投稿<<

悩み:社長が主催する朝礼が苦痛です。社員を見下す発言を聞くたびにモチベーションが下がり、好き嫌いでボーナス査定が決まるのも納得いきません。どうすればいいでしょうか?

 社長が主催する朝礼が苦痛でなりません。今の会社に転職してきて1年8カ月が経過したのですが、毎朝社長の発言を聞くたびにモチベーションが下がっています。「俺の考えについてこられないやつは転職しろ」「通勤費、ボーナスなんて支給する義務はない」など、社員を下に見る姿勢が目立つのです。

 私は経理職なので社員それぞれの給与の変動が分かるのですが、ボーナス査定が社長の好き嫌いで決まっているようです。新型コロナウイルス禍でも「時短要請に従ってないお店がたくさんあるからそこで飲もう」と、福岡や東京、大阪にいる幹部たちと飲み歩いております。次の昇給は、昨年末に開催した忘年会に参加したかどうかで決まるとのこと。忘年会翌日の朝礼では「参加しなかった社員は『コミュ障』だ」とも言っていました。心が折れそうで、今の仕事を続けられるか自信を失いつつあります。心の支えになる言葉をいただけないでしょうか。

(41歳、女性、会社員)

上田準二:投稿内容から推測すると、強烈なワンマン社長が率いるオーナー企業にお勤めのようだね。僕が総合商社で働いていた頃にこういう社長と何人も付き合ってきたけれど、だいたい似たり寄ったりなんだよね。自分がオーナーなのだから、社員はもちろん、「竈(かまど)の下の灰まで」会社は全て俺のモノ。業績が向上したら自分の手柄で、悪化したら社員が悪い。相談者さんの会社の社長も、そういう考えを持っているんだろうね。

 こういうタイプの社長は、なぜかそろって朝礼が好きなんだよね。早朝に取引先を訪ねてみたら、整列した社員たちが訓示に耳を傾けていることがよくあった。

小笠原啓(日経ビジネス編集):どんな内容を話しているのですか。

上田:これもまた不思議なんだけど、みんな大したことは言ってない。にもかかわらず、話が長いんだよね。「5分で終わらせましょうよ」と何人の社長に言ったことか。長々と講釈することで満足してしまい、社員がどんな気持ちで聞いているかに気が回っていないんだろうね。

小笠原:朝礼が終わって仕事に取りかかる頃には疲れ切っているでしょうね。

上田:だけど、自分が正しいと思っているオーナー社長にそのことを伝えるのは難しい。僕みたいな取引先の声なら耳を傾けてくれるだろうけど、社員が意見しようものなら逆効果になりかねない。そういうときはどうすればいいと思う?

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