上田準二さんの「お悩み相談」。今回の相談は製造業で働く47歳の女性管理職から。派遣社員として入社し、20年働き続けて管理職になったものの、役職定年を前に悩みが出てきたとのこと。個人的な経験を後輩に伝えたいという女性に対し、上田さんは「やりたいことは全部やればいい。1つに絞る必要はない」と助言します。

※読者の皆様から、上田さんに聞いてほしいお悩みを募集しています。仕事、家庭、恋愛、趣味など、相談の内容は問いません。ご自由にお寄せください。

>>悩みの投稿<<

悩み:派遣社員として入社して、今では管理職になりました。仕事の上では一種の到達感があるのですが、約10年後の役職定年を控えて悩んでいます。どんな活動に力を入れるべきでしょうか。

 派遣社員として入社して約20年たち、今では同じ会社で管理職を務めています。会社の公式ウェブサイトに、ダイバーシティーの推進例として掲載されたこともあります。製造業である当社にとって、女性管理職が珍しかったからかもしれません。私にとっては一つの到達点だったのですが、あと10年ほどで役職定年を迎えるに当たって悩みが出てきました。

 個人的な経験を生かして女性を支援するのはどうだろうか。一方で、カウンセリングやMBA(経営学修士)など自分をもっと磨くべきではないか。あるいは、趣味の料理を極めた方が人生に彩りが出るのではないか。などです。どうすればいいでしょうか。

(47歳、女性、会社員)

小笠原啓(日経ビジネス編集):具体的に明かせませんが、ウェブサイトに掲載された経歴からは苦労人であることが分かりますね。就職氷河期で希望の仕事には就けませんでしたが、コツコツと勉強を続けて今の会社に転職。40代になって大きなプロジェクトを成功させ、管理職に登用されたようです。

上田準二:派遣社員として入社して、20年ほど色々な経験を重ね、今では管理職になっているんでしょう。会社が相談者さんを極めて有能な人材だと評価している証拠だよね。投稿では役職定年を前に悩みが出てきたとあるけれども、そこは気にする必要はなさそうだ。10年後は、もっと高く処遇されているでしょう。道は開けているはずです。

 その前提で回答しますけど、投稿で挙げたことは全部チャレンジすればいいと思いますよ。現時点で選択肢を狭めることはしなくてもいいでしょう。よく「二兎(にと)を追う者は一兎をも得ず」と言いますが、相談者さんは多才な人のようだから上手にバランスを取って取り組めるはず。今やれそうなこと、やってみたいことに挑んでみる価値はあるんじゃないかな。

小笠原:「一つの到達点」と投稿にあるように、仕事という観点では今以上の達成感を得られないと考えているのかもしれません。

上田:そんなことはないんじゃないか。管理職になったから終わりではなくて、その中でさらに上のポジションに昇進する可能性はあるでしょう。MBAを取得して今までと違うスキルを身に付ければ、会社だって放っておかないはず。40代後半からの学び直しは厳しいだろうけど、新しい交友関係を築ければ違った世界が広がるはずだよ。事前にしっかりと会社側と相談しておいた方がいいだろうけどね。

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