上田準二さんの「お悩み相談」。今回は、定年後を想像して暗い気持ちになっている57歳の男性から。昨年暮れに年賀状を書いていて、友達付き合いが減ったことに危機感を覚えたそうです。上田さんは「年齢を重ねるにつれ、友達が減るのは当たり前だ。新しい環境に自ら飛び込もう」とアドバイスします。
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悩み:新型コロナ禍で友達付き合いが減りました。同窓会などもリモートに移行し、飲み会なども難しい。このままだと寂しい定年後になりそうで、今から思い悩んでいます。
年末に年賀状を書きながら、友達付き合いが減ったことに危機感を覚えました。過去2年、会社では飲み会が禁じられているので同期の友人とは飲みに行けず、大学や高校の同窓会も軒並みリモートに移行しました。新型コロナウイルスの変異型が相次ぎ登場していることから考えると、2022年もリアルの場で旧交を温めるのは難しそうですし、新しい知り合いを増やすのも無理なようです。このままでは寂しい定年後になりそうで、今から思い悩んでいます。
(57歳、男性、会社員)
上田準二:確かに今年は年賀状が減ったな。3年前ぐらいから「年賀のご挨拶は遠慮させてもらいます」という知人が増えてきて、僕自身も意図的に毎年3割ぐらいずつ減らしてきた。最盛期からすると半分以下になっているんじゃないかな。来年は恐らく、もっと減ると思うけどね。
相談者さんは寂しいと言っておられるけれど、これはある程度仕方ないと思うよ。年齢を重ねるにつれて、いや応なく友達付き合いは減っていく。会社関係の年賀状は別にして、個人的なやり取りが減っていくのは当たり前ですよ。こうした悩みは相談者さんに限らず、60歳ぐらいの年齢の人なら多かれ少なかれ感じていることでしょうね。
小笠原啓(日経ビジネス編集):会社の同期会や大学の同窓会など、若い頃からの付き合いを大事にされているようですね。
上田:確かにそうだね。僕の場合は、入社5~6年目までの若い頃は同期で集まって飲んでいた記憶があるな。会社にそれほどなじんでおらず、仲間でわいわいやるのが楽しかった。だけど40歳を過ぎたら同期会なんてほとんどなかったな。まして相談者さんは57歳でしょう。僕からすれば奇跡に近い。
いったん周囲を見回してみれば、相談者さんは同年代の平均と比べて友人が多い方だということに気付くんじゃないかな。そして、多くの中高年男性は友人関係が希薄になっていることを寂しくは思わず、当たり前のこととして受け止めていることが分かるはず。46歳の小笠原君はどう思う?
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