上田準二さんの「お悩み相談」。今回の相談は、部下の扱いに悩む39歳管理職の方から。課内の決めごとを守らず暴走する部下の扱いに悩んでいるのだとか。上田さんは「コモンセンスを徹底させて守らせるのが、管理職の仕事だ。ビシッと言わないと課内がまとまらない」と指摘します。
※読者の皆様から、上田さんに聞いてほしいお悩みを募集しています。仕事、家庭、恋愛、趣味など、相談の内容は問いません。ご自由にお寄せください。
悩み:暴走しがちな部下の管理で神経をすり減らしています。本人にやんわり注意しても聞く耳を持たない一方で、責任は課長である私に押しつけようとします。どう対応すればいいでしょうか。
職場の組織改編に伴いマネジメントに重きを置いた働き方が求められるようになりました。暴走しがちな部下の管理や尻拭いでストレスがたまり、心が折れそうになっています。
課のトップである私が基本的な方針を定め、部下がそれに沿った具体的な施策を立案。最終的に私がチェックしてゴーサインを出す体制になっています。ところがある部下がいつも、何の相談もないままに独走してしまうのです。やる気があるのは本当に良いことですが、課のメンバー全員で合意していた計画以外のことまで話を進めてしまいます。また、新規案件に注力するあまり日々の業務がおろそかになってしまい、メンバーがフォローしなければ現場が回らない状況になっています。
他のメンバーからの突き上げもあるので、私が本人にやんわり注意するのですが、「新規案件をやっているのだから」と聞く耳を持ちません。時には私の頭越しに部長と話をつけて、方針を変えてしまうこともあります。そのくせ、責任は私に取らせようとしてきます。管理職として何らかの責任を取るのはやぶさかではないのですが、特に関与もしていないのに詰め腹を切らされるのは納得がいきません。
正直、私は「お飾り」として据えられているのではないかとも思っています。力不足であることは重々承知していますが、こういった状況の中、どういう心構えでマネジメントをしていくべきでしょうか。
(39歳、男性、会社員)
小笠原啓(日経ビジネス編集):深くうなずきながら投稿を読みました。私も部下を持つ立場。この相談を書き込んでくれた男性とは、何か通じ合えるような気がします。
上田準二:そうかな。僕からすれば覚悟というか、考え方がやや甘い気がするね。30ウン年前に同じ立場を経験した先輩の視点から、管理職の心得を考えてみよう。
従業員数は5000人以上ということだから、かなりの大企業にお勤めのようだ(注:投稿時に勤務先の規模についても聞いています)。39歳で課長に登用された相談者さんは、上司から能力を見込まれたのでしょう。プレーヤー時代は間違いなく、かなり高い評価を受けてきたはずだ。
ところがマネジャーになったら別の能力が求められる。俗に言うリーダーシップだね。課の方針や目標、行動パターンを部下と話し合って決定し、管理していくのが仕事です。部下(以下、担当者A)が勝手に暴走するのはなぜなのか、まずは自分の行動を振り返る必要があるよね。後始末に動員される課のメンバーは、どんな気持ちなのだろうか。
この記事は会員登録で続きをご覧いただけます
残り1965文字 / 全文3310文字
-
有料会員(月額プラン)は初月無料!
今すぐ会員登録(無料・有料) -
会員の方はこちら
ログイン
日経ビジネス電子版有料会員になると…
特集、人気コラムなどすべてのコンテンツが読み放題
ウェビナー【日経ビジネスLIVE】にも参加し放題
日経ビジネス最新号、10年分のバックナンバーが読み放題
この記事はシリーズ「お悩み相談~上田準二の“元気”のレシピ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。
Powered by リゾーム?