上田準二さんの「お悩み相談」。今回の相談は、ワンマン社長の顔色をうかがうのに疲れた30代の男性から。企画が通るかは社長の好み次第なので、提案する気力が失われるとのこと。「オーナー企業では社長が全て。給料を払ってくれる顧客だとイメージして、その人の言うことを聞く、という考え方にしてみては」と上田さんは諭します。

※読者の皆様から、上田さんに聞いてほしいお悩みを募集しています。仕事、家庭、恋愛、趣味など、相談の内容は問いません。ご自由にお寄せください。

>>悩みの投稿<<

悩み:オーナー企業のワンマン社長の顔色をうかがうのに疲れました。部長はトップの指示を繰り返すのみで、提案が通るかどうかは社長の好み次第。このまま、今の会社に居続けていいのでしょうか。

 数百人の社員がいるオーナー企業に転職したのですが、ワンマン社長の顔色をうかがうのに疲れました。部長や課長は「社長がこうおっしゃっている」という指示の出し方しかしないし、役員が経営方針に異論を唱えることはありません。社長の指示通りに動けないと評価が下がるからでしょうか。自分の意見が採用されるかは社長の好み次第なので、提案する気力も失われつつあります。待遇はそこそこ恵まれているのですが、このままこの会社にいてもいいのか悩んでいます。

(33歳、男性、会社員)

上田準二:商社時代に色々な取引先と付き合ってきたけれど、この規模の会社のオーナー社長は、役員から部課長、そして若手社員まであらゆる所に目が行き届いているんだよね。本当に隅々まで会社の内情を把握している。

 それはなぜか。語弊がある表現だけれども、こうしたオーナー社長は「かまどの灰まで俺のモノ」だと考えているからなんだよね。会社の株はもちろん設備や備品も自分の所有物で、そこには相談者さんなど社員も含まれているケースすらある。それぞれ違う個性の方々なんだけど、私が付き合ってきたオーナー社長の多くはこうした感覚を持っていた。

小笠原啓(日経ビジネス編集):株主に雇われているサラリーマン社長はもちろん、私や相談者さんのような一般社員とは考え方からして違っていると。

上田:全く違う人種だと考えた方がいいだろうね。

 従って経営戦略や営業方針を決めるとき、オーナー社長は役員や部課長の意見は聞くだろうけど、最終的には一存で決める。だって、あらゆる責任は社長に降りかかってくるわけだから。だから、相談者さんの会社の上司が「社長がこうおっしゃるから」「社長が決めたことだから」と部下に伝えるのは当たり前のことなんだよ。まずはこの現実を理解する必要があるかな。

 そうした状況で、自分の提案を通すにはどうすればいいか。

次ページ 誰を喜ばせると、ボーナスが増えるのか