「辞めてもらう」のも選択肢に
上田:事業所長には長年の付き合いがあって矢面に立つのが嫌なのかもしれないけれど、仕事をする上で不都合が生じているなら考え直さないといけないよね。まずは事業所長に「管理職としてしっかり指導してください」と、きっちり伝えるべきでしょう。
それでも動いてくれないのなら「事業所長の了承を得た」という大義名分を作った上で、相談者さんがベテラン社員に仕事の分担や権限を改めて明示することになるんだろうね。

小笠原:モチベーションが下がったベテランに、いかに働いてもらうか。企業規模を問わず悩んでいる職場は多くあります。年下ならまだしも、年上の相手に厳しいことを言うのは勇気がいりますよね。
上田:そうかもしれないけれど、実際には2つの選択肢しかないんだよね。何とかして工夫して働いてもらう、というのが1つ目の道。もう1つは、そういう人は退職してもらって構わないと割り切ること。相談者さんが仕事のミッションを改めて伝えたら、この女性社員は反発するだろうね。「今までのやり方を変えたくない、そんなことなら辞める」と言うかもしれない。
小笠原:現場のことをよく知っているベテランに辞められると困りませんか。
上田:投稿の冒頭には「働かなくて困っています」とあるから、別に問題ないんじゃないかな。現時点ではこのベテランの仕事を誰かが代わりにこなしているんでしょう。パート社員を活用するには、仕事内容と業務分担をはっきりさせておく必要がある。本来なら事業所のトップが言わないといけないんだけど、動いてくれないなら仕方ない。相談者さん自身がアクションを起こすしかないんだろうね。
繰り返しになるけれど、あらかじめ事業所長とは話を付けた上で、その旨も含めてベテラン社員に伝えた方がいいでしょう。何かあったときの責任を相談者さんが取るのは筋違いだからね。人にはそれぞれ事情があるのだろうけれど、会社で働く以上は折り合いを付けてもらわないといけない。いい機会だと考えて、ルールを再確認すればいいんじゃないかな。
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