上田準二さんの「お悩み相談」。今回は管理職に昇進した35歳の女性から。年収が増えたのと同時に拘束時間も延び、家族との時間が減ってしまったのが悩みの種だそうです。上田さんは「管理職として残業を減らす仕組みをつくってみよう」と発破をかけます。

※読者の皆様から、上田さんに聞いてほしいお悩みを募集しています。仕事、家庭、恋愛、趣味など、相談の内容は問いません。ご自由にお寄せください。

>>悩みの投稿<<

悩み:4月に管理職に昇進したことで、帰宅時間が遅くなってしまいました。夫からは「年収が下がっても早く帰れた方がいいのでは」と言われ、私も家族を大事にしたいと考えています。転職すべきか、今の会社で仕事を続けるべきか。どちらでしょうか。

 大学を卒業して金融機関に就職し、3年前に結婚した後も変わらず営業職として働いてきました。今年の4月に管理職に昇進したのですが、残業が増えて帰宅が遅くなってしまいました。家族を大事にできなくなったのが残念です。

 仕事柄テレワークは難しく、通勤も含めた拘束時間は長くなりがちです。管理職になると毎月1週間の「当番」が義務になり、早い時間に帰宅するのは不可能です。そのうえ転勤の可能性もあります。管理職への登用も断り続けてきたのに、今回、無理に昇進させられたかたちです。

 夫からは「年収が今より200万円ほど下がっても早く帰れる方がいいのでは」と言われております。夫はテレワークが可能で、年収も私より300万円ほど高いため、私の給料が下がっても家計に問題はありません。

 私自身は会社の将来性に不安を感じ、何度も転職を検討しました。周囲の人に恵まれているので、思いとどまっている状況です。今の会社で仕事を続けつつ退社時間を早めたいというのが本音ですが、どのようにすればいいでしょうか。
(35歳 女性 会社員)

小笠原啓(日経ビジネス編集):給料が上がらないのが悩みというビジネスパーソンが多い中で、今回の相談はぜいたくですね。「断っていたのに無理やり昇進させられた」なんて言葉、一生に一度でいいから言ってみたい。

上田準二:とげのある発言だね(笑)。そういう嫉妬心を表に出さないことが、出世の秘訣だと習わなかった?

 でも、小笠原君がうらやむのも無理はないかな。30代前半から管理職への声がかかっていて、この4月に満を持して昇進したのだから、相談者さんの仕事の能力はかなり高いと推察します。周囲の人と良好な関係を築けているのも、仕事ができるためなのでしょう。

 管理職になると、これまでとは責任の重さが変わってくる。仕事との向き合い方も見直す必要がある。そうした環境の変化に戸惑っているのかもしれないね。

小笠原:管理職になって給料が上がったのだから、もっと頑張って働きなさいと。

上田:そういうことじゃないんだよ。今回の悩みは、残業が増えて帰宅が遅くなったこと。これを解決するのが先決でしょう。せっかく管理職になったのだから、まずはあなたが率いる部署の残業時間を減らす取り組みをしてみたらどうですか。なぜ労働時間を減らせないのか、テレワークを阻む要因は何なのか、管理職の視点から洗い直すと思わぬ糸口が見えるかもしれない。

 月に1週間の「当番」は業務の特性上、もしかしたら避けられないのかもしれない。日常のルーティンワークとは違った仕事が、あなたの会社の管理職には課せられているのでしょう。でも、そこで思考停止してはダメでしょう。当番の仕事を早く片付けられるよう、あなたなりのやり方を考えて行動してほしいですね。会社の上司も、そういう期待を込めて管理職に昇進させたのかもしれないよ。

続きを読む 2/2 男性から同じ相談がきたらどう答える?

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