上田準二さんの「お悩み相談」。今回は同族経営の中小企業に勤める58歳の女性から。若くして会社を継いだ3代目社長がイエスマンばかりを集めてしまい、あぶれた社員の士気が下がっているそうです。上田さんは「苦言を呈するのも年長者の仕事だ」と奮起を促します。

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悩み:イエスマンばかりを重用する3代目社長について行けません。社会人経験に乏しいためか信望が薄く、みんな陰口を言いながら遠巻きに見守るばかり。どうすれば社員が逃げず、魅力のある会社にできるでしょうか。

 中小企業に勤めています。今の社長は3代目で年齢は30代後半。学生時代のアルバイトが唯一の社会経験で、大学卒業後すぐに両親が経営する会社に入りました。社会人経験がないためか、全てが行き当たりばったりで計画性がなく、取引先にも迷惑をかけています。厳しい意見は聞きたくないらしく、自分をおだててくれる人ばかりを周囲に集めています。「会社を変えたい」というのが口癖ですが、社長自身が変わらなければ不可能だと私は考えています。

 身内や引退した両親は何も言わず、社員は陰でこそこそ「外で働いたことがないと常識がなくてダメだね」と噂話をするばかり。このままでは会社の未来が見えません。どうすれば社長を見捨てず、魅力のある会社にできるでしょうか。このままだときっとみんな逃げていきます。

(58歳 女性 会社員)

上田準二:今回は58歳女性からの相談か。日経ビジネスはどちらかというと管理職のおじさん向けだと思っていたんだけど、6月に入って女性が続いているね。何かあったのかな?(参考:転職も婚活もやる気が出ない、34歳の今年をどう過ごせばいい?午前中でお仕事終了、2年目なのに暇な部署にいて大丈夫?)。

小笠原啓(日経ビジネス編集):上田さんの魅力に改めて気づいたんじゃないですかー(棒読み)

上田:冷たいなー、もう少しヨイショしてくれよ。君はイエスマンになれないタイプだね。そんなんじゃ出世できないぞ(笑)。

 さて、本題に戻ろうか。厳しく聞こえるかもしれないけど、相談者さんにも責任の一端があるんじゃないかな。58歳なら、この会社に長く勤めるベテラン社員だと推察します。社長が大学を卒業してから30代後半になるまでの十数年間、何をしていたのかということですよ。

 追い打ちをかけるようで申し訳ないけど、他の社員が逃げたとしても、58歳のあなたが転職するのは難しいでしょう。同族経営の3代目なら、社長も当分交代しないと思われる。ならばどうするか。あなたが主役になって社長の考え方を変えるしかないよね。

小笠原:具体的にはどうすれば?

上田:ここは直球勝負しかないでしょう。自分はこの会社を愛しているとはっきり伝えた上で、「ごく一部の取り巻きやヨイショする人の方ばかり向かず、多くの社員と向き合ってください」と言うんです。「このままだと社員が逃げていきますよ」と、半ば脅してもいいかもしれない。

 大事なのは、社長に話を持ちかける前に論点を整理しておくこと。社長のどこを直してほしいのか。社員はどんなトップを求めているのか。会社をどう発展させるのか。少なくともこの3つについては、具体的に提言できるよう準備したい。

続きを読む 2/2 跡継ぎをどうやって鍛えればいいのか

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