上田準二さんの「お悩み相談」。今回の相談は顧客企業への出向を打診された44歳の男性から。システム企画の力量を買われた一方で、住み慣れた故郷を離れることに踏ん切りがつかないと訴えます。上田さんは「40代の今こそ転職のチャンスだ」と背中を押します。

※読者の皆様から、上田さんに聞いてほしいお悩みを募集しています。仕事、家庭、恋愛、趣味など、相談の内容は問いません。ご自由にお寄せください。

>>悩みの投稿<<

悩み:顧客企業への出向を命じられました。システム企画のスキルを買われたのはいいのですが、生まれ育った関西から離れる決断ができません。会社との待遇交渉も思い通りにいかず、3年後に出向から復帰した後のキャリアが描けないのが悩みです。辞令通りに出向すべきか、転職すべきか。どうすればいでしょうか?

 関西地域でシステムエンジニアをしている課長職の44歳(独身)です。転職するかどうかで悩んでいます。

 私が得意なのは、顧客と一緒になってシステムを企画して要件を定義する、いわゆる「上流工程」です。このたび、その企画のスキルを買われて、顧客企業への出向を命じられました。ただしこの出向先とは今まで、仕事のつながりはありません。

 悩みは出向先が中国地方にあることです。私は関西で生まれ育ちました。両親や知人友人が多くいる関西でこのまま働きたいと会社に申し出ましたが、結果として認められませんでした。出向を前向きに捉えたいと考え、住宅補助など待遇面での交渉もしてみたのですが色よい返事はもらえませんでした。

 会社は「3年の期限で」と言っているのですが、似たような境遇の方を見ると、延長の可能性が高そうです。仮に3年後に戻ってきたとしても、今の職場でのキャリアパスは見通せません。

 そこで、一度退職して関西の企業で再就職した方がいいのかなと考え始めました。既に出向期日は決まっており、並行して転職活動を進めている状態です。上田さんの視点でご意見いただければ幸いです。

(44歳 男性 会社員)

上田準二:44歳のシステムエンジニアで課長職。経験を重ねて専門職として一番脂が乗っている時期ですよね。これまでに様々なノウハウを学んでいるはずだし、新しい技術に対応できないほど高齢化しているわけでもない。出向するにしても転職するにしても、新しい企業が歓迎してくれるのは間違いない。あらゆる企業がデジタル化を進めているから、働き口の門戸は広いでしょう。

小笠原啓(日経ビジネス編集):「手に職をつけておけば食いっぱぐれることはない」と、子供の頃に両親から繰り返し説教された記憶があります。昔は弁護士や会計士などのイメージでしたが、今の時代はシステムエンジニアなのかもしれませんね。

上田:あなたはこれまで、どちらかといえば幸せな会社員人生を歩んできたのでしょう。会社から仕事ぶりが評価されている様子がうかがえるし、両親や友人も同じ関西地域にいる。今の環境を大事にしたいという気持ちがあるわけですね。ただし今の会社に残るのなら、出向辞令には従わざるを得ない。サラリーマンである以上、それは仕方のないことです。

 そう考えると、あなたにとっては転職した方が好都合かもしれません。地縁のない中国地方に1人で移り住み、新しい企業で働くというのは、実態としては転職と変わらない。いい企業があれば、今こそチャンスかもしれないよ。

小笠原:嫌な言い方かもしれませんが、「片道切符」の可能性もありますよね。

上田:ゼロではないよね。3年後に今の会社に戻れる保証はなく、ステップアップも期待できない。ということなら、今回の辞令は人生における1つの転機でしょう。私ならそう考えますね。

続きを読む 2/2 40代半ばで「黄昏」はまだ早い

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