上田準二さんの「お悩み相談」。今回はIT企業に勤める44歳の女性から。情報システム開発をきっかけに各部門の責任転嫁が激しくなり、雰囲気がギスギスしているのが悩みの種になっているそうです。上田さんは「部門長を通じて社長を動かすべきだ」と助言します。

※読者の皆様から、上田さんに聞いてほしいお悩みを募集しています。仕事、家庭、恋愛、趣味など、相談の内容は問いません。ご自由にお寄せください。

>>悩みの投稿<<

悩み:社内の情報システム構築プロジェクトで各部門の責任転嫁が続いています。自分のチームの利益を優先して、不備があったら攻撃するというような言動も見られます。多忙で余裕がないのが一因でしょうが、どうすれば状況を打開できるでしょうか?

 IT企業でお客様向けサービスの構築・運用プロジェクトマネジャーを経験し、昨年から管理部門の部長を担当しています。顧客情報管理や業務計画管理の社内システムを大幅に変更するプロジェクトを進めているのですが、それぞれのツールを担当する部門同士が仲たがいを続けています。新たに参画したメンバーへの状況説明を怠り、互いに責任転嫁しあったり、不備を見つけて攻撃したりするような言動がありします。

 社内で相互に連携しあう必要があるのですが、私が各部門にそのような働きかけをしても、自身のチーム以外のことには関係ない、と拒否されるような状況です。皆多忙で余裕がないことが一因だとは思いますが、このような状況を打開するにはどうすればよいのか、アドバイスをお願いします。

(44歳 女性 会社員)

上田準二:ずいぶん骨太な相談が届いたね。襟を正して、気合を入れてお答えしないといけないな。かつてファミリーマートの社長を務めた立場から、ズバリご回答いたしましょう。

小笠原啓(日経ビジネス編集):パソコン画面で確認する限りでは、ご自宅で部屋着をまとってくつろいでいらっしゃるように見えますが……。(新型コロナ感染予防の観点から、お悩み相談はZoomを使って実施しています)

上田:それは言わぬが花というやつだ(笑)。どんな格好をしていても、私はいつも真剣ですよ。

 なぜITシステムの構築がうまくいかないのか。稼働した後もトラブルが絶えないのはなぜなのか。答えは単純で、ユーザーの使い勝手を考慮していないからですよ。あなたが今まさに直面している問題は、どの会社でも大なり小なり起きていることだと思います。

 僕がファミリーマートの社長だったころは、おおむね5年に1度のペースでシステムを更改していました。5年もたつと陳腐化するし、いろんな不具合も目立ってくる。世の中の変化に合わせて新たなITサービスを提供するには、古いシステムでは対応しきれない。そこで相当な金額の投資をして、店舗と本社のシステムを大幅に更改するわけです。

 巨額の予算が動く全社プロジェクトだから、情報システム部門はもちろん、店舗の担当や本社経理部門などいろいろな部署が関係する。すべてを社内では完結できないので、外部のシステム会社なども巻き込むことになります。利害が異なる人たちを連携させるのは本当に大変です。

 部門間の連携が悪いと一体感が生まれず、外注先に任せっぱなしにしたり、責任を転嫁したりする人も出てくる。こうした状態を放置していると全体の調和がとれず、結果として使えないシステムができてしまう。改修するには莫大な追加投資が必要になるから、絶対に避けないといけない。

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