上田準二さんの「お悩み相談」。今回は子供が手離れし、もう一度バリバリ働き出世もしたいと考えている女性から。定年までの残り20年、役職を任されないままなのではと焦っています。上田さんは「アピールしよう」とアドバイスします。
※読者の皆様から、上田さんに聞いてほしいお悩みを募集しています。仕事、家庭、恋愛、趣味など、相談の内容は問いません。ご自由にお寄せください。
悩み:子供が手離れし、もう一度バリバリ働き、裁量の大きいポストで仕事をしたいと思っているのですが、定年までの残り20年、役職を任されないままなのではと焦り始めています。
子育てをしながら公務員としてキャリアを積んできました。仕事はできるほうですが、これまで家族で一緒に暮らすことを大切にしてきました。昇進を伴う海外赴任を断ったこともあります。
ようやく来年から子供が高校生になるので、これからはより裁量の大きいポストに異動して組織に貢献したいと考えて動き始めました。ところが、コロナの影響もあり、手応えがありません。このままだと定年まで残りの20年、ずっと役職を任されないのではと、少し焦り始めました。
マネジャーの視点からアドバイスをお願いします。
(42歳 女性 公務員)
上田準二:あなた自身が言っているように、昇進を伴う海外赴任のチャンスがあったということですから、仕事はきっとできるのだと思います。その中で、子供が生まれて、育児、家庭を中心に考えながら仕事でも力を発揮してきたというのが、これまでの状況ですね。僕は、これまで家庭を中心に考えながらキャリアを積んできたという人生の選択は、決して間違っていないと思います。
家族と長い人生を歩んでいく上で、その選択はとても大事だったと、まずはそう考えてください。あなたは、よくやってきたと思いますよ。
大竹剛(日経ビジネス編集):まずは、これまでの自分の選択に自信を持ったほうがいいということですね。
上田:そうです。今、このままずっと大きな仕事を任されないのではと焦っているとのことですが、焦っていると、これまでの選択が間違っていたのではないかなんて、思ってしまうこともあります。でも、過去は変えられないのだから、間違っていたと思ったって仕方がない。そもそも、人生の選択に正解も間違いもありません。だから、まずは自信を持ちましよう。
さて、そのうえで、子供が高校生になるので、ほぼ手離れしたということですよね。これまでのキャリアを考えれば、もっと大きい裁量のある仕事をできるはずだと考えている。きっと、そうかもしれません。
大竹:だけど、コロナ禍でいろいろと状況が変わってしまったようです。バリバリ働こうと思っても、なかなか手応えがないと……。
上田:確かに、「もっと難しい仕事でもやりますよ」と上司に言っても、こういうコロナ禍ではなかなかチャンスが巡ってこないのかもしれないね。平時なら、異動とか担当分野を変わるとか、そういう可能性があったとしても、今はそういうチャンスが減っているのでしょう。民間企業だって、コロナで需要が落ち込んでリストラとかをしているところが多いからね。
コロナワクチンの接種も始まっているけど、一般の人が打てるのはまだ先でしょう。従って、この1年、あるいは2年は、あなたにとって次のステップのための充電期間だと思ってください。
Powered by リゾーム?