上田準二さんの「お悩み相談」。今回は、トラブルを起こし辞表を提出した社員に温情をかける社長の姿勢に疑問を持つ男性から。上田さんは「厳しく処罰すべきだというあなたの姿勢は大切だ」とアドバイスします。

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>>悩みの投稿<<

悩み:お客さんとの間でたびたびトラブルを起こしている社員が辞表を提出したのですが、社長は辞表を受け取らずに温情をかけようとしています。その温情は正しいのでしょうか。

 先日、顧客から担当しているAさんについて、「いろいろとお願いしていることがあるが何も対応してくれない」とクレームが入りました。それについてAさんに尋ねると唐突に、「仕事にモチベーションが持てない」「会社を辞る」と言い出しました。「それは今言うことなのか」「せめてクレームの対応を優先すべきでは」と諭したのですがかたくなで聞く耳を持ちません。

 いろいろと聞いていくと、実はAさんが担当している別の顧客との間でもトラブルが起きていました。社内で承認を得ていない見積もりを勝手に顧客に提出したり、上司の印鑑を勝手に使って文書を作成したり。いろいろと隠してきた顧客とのトラブルが重なり、どうにもできなくなって辞めると言い出したようでした。

 しかし社長はAさんの辞表を受け取らず、「温情をかけなければ」と他の部署への異動を考えているようです。本来なら懲戒のうえ、辞表を受け取るべきだと思い、社長にも意見を言ったのですが、社長の温情は正しい判断なのでしょうか。

(50歳 男性 会社員)

上田準二:あなたの気持ちも分かります。社内のルールを無視して何度もトラブルを起こしてきた人の辞表を受け取るべきだというのは、正しい意見だと思いますよ。ただ、会社の規模を拝見すると、おそらく、オーナー会社ではないでしょうか(編集部注:お悩みを投稿いただく際に会社の規模もお尋ねしています)

 普通の会社なら、人事部は必ず処罰規定というものを作っているはずです。就業規則があるでしょうから、通常ならそのルールに従って処罰を決めるものです。今回の事例なら、勝手に上司の判子を使うようなこともしているわけですから、当然、重い処罰になるのが普通の会社でしょう。本人が辞めると言っているのであれば、辞表を受理するという流れになるはずです。

 本来なら、何の処罰もなく、ほかの部署に異動させるということはありえません。しかし、ありえないことをもし、やるような会社ということは、ほとんどのことが社長の一存で決まる会社ということですよね。

 さて、そういう状況の中で、あなたは「社長の温情は正しいのか」と悩んでいるんですね。結論から言うと、正しくありません。特に、最近はコンプライアンスが重視されますから、いくらオーナー会社とはいえ、取引先への説明責任も含めて、しっかりと対応すべきですね。

大竹剛:オーナー会社といえども、中途半端な温情はよくないと。

続きを読む 2/2 厳しい姿勢が信頼維持のために欠かせない

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