上田準二さんの「お悩み相談」。今回は、新設されたマーケティング部門に配属となり、仕事がないとなげく48歳女性から。これまでに培った管理系の知識を生かせないと悩んでいます。上田さんは「仕事をつくれるかはあなた次第」と、意識を変えることを促します。

※読者の皆様から、上田さんに聞いてほしいお悩みを募集しています。仕事、家庭、恋愛、趣味など、相談の内容は問いません。ご自由にお寄せください。

>>悩みの投稿<<

悩み:新設されたマーケティング部門に配属となり、やることがなく困っています。これまでは貿易実務や営業部門の統括管理の仕事で管理職をしていましたが、マーケティングの経験や知識はありません。どうしたらいいでしょうか。

 私は現在、マーケティング部門の課長という立場です。25 年前に営業事務の正社員で中途採用され、国内の受注業務を長年担当した後、貿易実務と営業部門の統括管理の仕事をしているときに管理職になりました。ですので、事務方としては経験もありますし管理職としての自信もありました。

 ところが去年の10月にマーケティング部門に異動になりました。「体質の古い当社にないマーケティングの考え方を根付かせたい」という社長の発想により新設されたのです。主に海外での市場開拓が仕事です。

 上司の部長は別の会社で営業をされ、マーケティングの知識もある人ですが、私には経験も知識もありません。もちろん、マーケティングの研修を受けましたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、海外出張どころか国内出張もできず、実質何もできていないと感じています。

 以前の所属部署のメンバーが忙しく働いている中、達成すべき数値目標もない暇な日常にも慣れてしまいました。オンラインのセミナーを受講したり、本を読んだりしていますが、正直なところかなりむなしいです。あと10歳若ければ、再度転職を考えると思いますが、短大卒で48歳の事務系の女性に、今以上のお給料をいただける仕事が見つかるわけはありません。

 上司と私と営業出身の年下の男性の同僚の3人の部署なのですが、同僚も同じように不安を持っています。「何事も無駄はないから」と励ましてはいますが、自分のモチベーションを保つのも難しいです。何か目線を変えるきっかけが欲しいです。

(48歳 女性 会社員)

上田準二:そもそも、社長の肝いりで新しい組織をつくったわけですよね。そこへ、あなたが配属された。新しい部署で暇だと書いてありますが、将来の見通しや市場がどのように変わっていくかをつかむためのマーケティングの仕事でしょう。本来なら、仕事は忙しくなるはずなんですよ。

 もちろん、何もしなければ、それで時間が過ぎてしまうでしょう。でも、そもそも新しい部署で、しかもマーケティングの仕事ですから、誰かに指示されるのではなく、自分でマーケットを分析して、仕事をつくっていかなければいけませんよね。

 従って、あなたが暇なのは、あなたがやるべき仕事をやっていないからではないですか。新しいことを組み立てていく仕事ですから、やろうと思ったらいくらでもあるはずなんです。

 マーケティングは、国内や海外への出張がなければできない仕事でもありません。市場の動向を分析する方法は、ほかにもいろいろあるでしょう。社長が期待しているのは、そのように動くことだと思いますよ。まずこれが1つ。

 そして、「何事も無駄はないから」と同僚を励ましているとのことですが、その通りです。あなたの部署の仕事、ミッションが無駄になることはありません。だから、自ら進んで動いて、社長にあなたの会社にとって新しいマーケティングの視点を提言してみてください。あなたには、そういう仕事をしてほしいですね。

 そのような気持ちで、最初は雲をつかむような仕事ばかりで大変だと思いますが、「会社のためになる」と信じてモチベーションを高めて仕事をしていけば、マーケティングの面白さを分かってくると思います。

大竹剛(日経ビジネス編集):この方はずっと事務系、管理系でキャリアを積んできたようです。

上田:きっと優秀な方なんだと思いますよ。

続きを読む 2/2 与えられたミッションに前向きに取り組もう

この記事はシリーズ「お悩み相談~上田準二の“元気”のレシピ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。