上田準二さんの「お悩み相談」。今回は、「部下を褒めなきゃ」と思っても、思い通りに育てられずにイライラが募る45歳女性管理職の悩み。上田さんは、「褒めなきゃ」という思い込みは捨てようとアドバイスします。

※読者の皆様から、上田さんに聞いてほしいお悩みを募集しています。仕事、家庭、恋愛、趣味など、相談の内容は問いません。ご自由にお寄せください。

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悩み:仕事ができない部下にイライラしてしまいます。褒めて育てようと意識していますが、気を使うのもバカバカしく思えてきます。どうやって育てたらいいでしょうか。

 管理職をしています。自分が現場にいたときと時代が変わっているのも理解しているのですが、できない部下にイライラしてしまいます。

 小売業で接客や売り場作成などを教えているのですが、部下の仕事ぶりを見ていると、基本的なことをやらずに違うことに目が行って、余計なことばかりしているように感じてしまいます。部下なりに一生懸命なのは理解し、褒めるようにしていますが、本心では褒められず、とりあえず無理やり褒めている自分に嫌気が差しています。こんな気持ちで働き続けるのは疲れますし、気を使っているのがバカバカしくなります。

 そんな部下のことなど気にしなければいいのですが、教えてあげたいという気持ちもあります。その半面、自分でやったほうが早いし、気持ちもスッキリするので、結局自分でやってしまいます。そうすると部下が育たないのも分かるのですが、教えても部下がまた同じことを繰り返すと、がっかりして、教えても無駄という気持ちになります。

 それでも、やっぱり教えてあげなきゃ、という気持ちにもなり……。こんな堂々巡りの考えをしている自分が嫌になります。まとまらない文章ですみません。

(45歳 女性 会社員)

大竹剛(日経ビジネス編集):今回は、部下の出来が悪くて、やることなすこと意味がないと思ってしまってイライラするという女性の悩みです。自分でやったほうが早いからとつい、仕事を取り上げてしまいがちだけど、それもいけないと思いつつ……。ぐるぐると悩んでいますね。

上田準二:この方は今、45歳。僕はちょうど、40歳で管理職になったんですよね。管理職になる前から、新入社員が毎年入ってくるわけですが、だいたい3年から5年で、新入社員のタイプは変わっていくんですよね。

 僕らの頃、一番びっくりしたのは「新人類」という世代ですよ。

大竹:1980年代に新卒で入社してきた世代ですね。ウィキペディアによると、芸能・スポーツではその世代の代表的な人物として秋元康や尾崎豊、石橋貴明、清原和博などの名前が挙がっています。

上田:僕らの世代が管理職になった頃に入社してきた世代というわけですよ。僕らが新入社員だった頃の行動と比べたら、新人類の行動はとても理解できなかった。

 取引先との電話でも、学校で友達と話すような言葉遣いをしているし、「こうやって仕事をするんだよ、分かったか」と聞いたら、「分かりません。そもそも、これ、やる必要があるんですか」なんて言い返してくる。もう、僕らにしたら「こいつらバカか」という感じでしたよ。だって、分かろうとか、慣れようとか、そういう気持ちが伝わってこないんだから(笑)。ちょっと叱ると、次の日には会社に来なくなるとか。

 当時僕は、この世代は子供時代から、家庭でも学校でも、もう高度成長真っただ中でちやほやされて、社会人としての成長なんかは周りがお膳立てしてくれるものだと思い込んでいるんじゃないかと、そう思ったものですよ。

 でも、少したつと、新人類のいいところも見えてくるんだよね。発想とか勢いとか、そういうのは僕らの世代とはちょっと違っていいところがあるんだよ。僕らがやりたくないと思うような仕事でも、逆に率先してやっちゃうとか。感覚が違う。大丈夫かな、危なっかしいなと思うところもあるけど、それがいい結果を生むこともある。案の定、ミスはするけども、それは訓練で修正して次はうまくやっていく。

 やっぱりね、世代世代、時代時代で、人の感性は変わってくるんです。まず、それを認識しましょう。

大竹:いつの時代も「今年の新人は……」というのが話題になりますが、自分と違って当たり前。まずは、違いを認識し、受け入れることから対話が始まるんですね。

続きを読む 2/2 「褒めなきゃ」という思い込みは捨てよう

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