負の記憶は常に記憶によみがえる、だからこそ前を向こう

大竹:上田さんは、働いていたころを懐かしく思うようなことはありませんか。

上田:僕自身はどちらかというと楽しかったことよりも、失敗したことや苦しかったこと、人との関係において非常にマイナスだったことを思い出すね。時折、記憶によみがえってきてきますよ。この方も恐らく、やはり負の部分が常々頭に浮かんでくるんでしょう。これは、誰しも一緒なんですよ。

 だからこそ、これからの人生はそういうつらいことではなくて、どうしたら楽しく過ごしていけるかにエネルギーを注ぎましょう。

大竹:最近は成果主義の世の中ですから、組織への貢献度合いにポストが見合わないと、すぐにポストを剥奪(はくだつ)されるようになっています。何となく管理職になっていくという一昔前の日本企業のような状況ではなくなっています。

上田:日本の企業も、だいぶ欧米式になってきましたよね。会社に入って与えられたミッションをこなして、昇進していくということよりも、最初から自分の能力を売るという感覚が強くなってきました。

 欧米では、働く側はみんな割り切っているから、出世する、しないじゃなくて、自分の能力がその企業にとってどれだけの価値があるか、ということでポストが決まって、報酬も決まる。日本もだんだんそうなってきているということですね。

 そうなると、いろんな働き方をする人が出てきます。これまで通り出世を目指す人もいれば、そうでない人もいる。ただ、いずれにしても大切なのは、人生トータルで考えることです。社長になってもひどい目に遭って、解任されたり、あるいは自分から辞めざるを得なかったり。人生をトータルで考えれば、何がいいかは本当に最後まで分かりませんよ。

 だからこそ、あなたも一度、客観的に自分自身と世間を見直してみてください。きっと、過去をリカバリーできると思いますよ。

読者の皆様から、上田さんに聞いてほしいお悩みを募集しています。仕事、家庭、恋愛、趣味など、相談の内容は問いません。ご自由にお寄せください。

>>悩みの投稿<<

*この連載は毎週水曜日掲載です

本連載「お悩み相談~上田準二の“元気”のレシピ」が本になりました! 反響の大きかった話を中心に、上田さんのアドバイスをぎゅぎゅっと編集して詰め込みました。その数、全35個。どれも読むだけで元気になれるアドバイスばかり。上田さんの“愛”がたっぷりのお悩み相談本となっています。ぜひお手に取ってみてください。

とっても大きな会社のトップを務めた「相談役」の相談室』は、絶賛発売中!


◇概要◇

『とっても大きな会社のトップを務めた「相談役」の相談室』

<第1章 人間関係に効く>
Q 上司の顔色ばかり見る組織に辟易/Q 上司が危機感を持っていない/Q 理不尽な部長の罵倒に耐えられない、など9個

<第2章 自分に効く>
Q 成長できる「前の職場」に戻りたい/Q もうここで「昇格」は終わり?/Q いいかげん、ぎりぎり癖を直したい、など15個

<第3章 恋愛・生き方に効く>
Q 安定した仕事を持つ男性の方がいい?/Q 出産のタイムリミットが近づいて/Q 年収も家柄も良いのに婚活失敗、など11個

まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。

春割実施中

この記事はシリーズ「お悩み相談~上田準二の“元気”のレシピ」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。