上田準二さんの「お悩み相談」。 今回は、入社2年目で「窓際」に異動になり、暇すぎてやることがないという女性から。働く意欲は高く、自己研さんも惜しみませんが、評価が低かったのが原因だったのではと悩んでいます。上田さんは、「僕もそうだった。まずは自分から動いて、景色を変えよう」とアドバイスします。
悩み: 入社2年目で、周囲から「窓際」とみられている部署に異動になってしまいました。仕事があまりなく、非常に惨めな気持ちです。私は再起できるのでしょうか。
毎回楽しみにしています。お悩み相談を読んでは、「大の大人でも悩むことがあるのだ……」と勇気づけられています。
私は入社2年目でメーカーに勤めています。昨年の入社後、数カ月の研修を経て経営企画系の部署に配属されました。しかし配属から1年もせず、4月に部署異動となりました。
明確な理由は聞いていませんが、前の部署であまり仕事ができず、上司からの成果評価が低かったことが原因だと考えています。実際に、異動先の現在の部署はほとんど仕事もなく、他の社員からは窓際部署と認識されているようです。
あまりにすることがなく、業務時間中にソリティアをしている自分がいました。他にも社員がいますが、その人が何をしているのかもよく分かりません。「あれしなきゃ、これしなきゃ」と言うばかりで何もしていないと思います。
入社時はやる気も希望もあり、前の部署は第1希望の部署でした。日本経済新聞、日経産業新聞、日経ビジネスを自分のお金で契約して購読するくらいには、働くことへの意欲もあります。仕事ができなかったのか、前の部署が合わなかったのか、理由はよく分かりませんが、入社2年目でこのような状況になり、非常に悲しく惨めな気持ちです。
今の部署を訪れる社員はほとんどおらず、社内の情報もあまり入って来ません。「かわいそう」と言われたこともあります。
私は再起できるでしょうか。「仕事がなく、ストレスもなくて幸せだ」と言われることもありますが、不安と焦燥感でいっぱいです。いっそのこと辞めた方が自分のためではないかとも思います。アドバイスだけでなく、お叱りの言葉もいただけたら幸いです。
(25歳 女性 会社員)
大竹剛(日経ビジネス編集):「日経ビジネス」もご購読いただいているとのこと、本当にありがとうございます。ぜひ力になってあげたいと思います。
意欲はとても高いのですが、入社2年目で理由がよく分からないまま「窓際」ともいわれる部署に異動になってしまったようです。
上田準二:うーん。この方、私とよく似ていますよ。
大竹:どうしてですか。
上田:僕はね、最初の会社、まあ、伊藤忠商事だけど、入社したときに東京本社の同じ部署に同期3人が配属されました。その年が明けたら上司から呼ばれて、「上田君、君は転勤してもらう」と言われたんです。どこへ行くのかと聞けば、転勤先は大阪で、部署も変わっている。東京本社で採用されて、1年目で転勤、しかも転部というのは私、たった1人でした。
大竹:同期の中で、たった1人。
上田:うん。そのときにどう思ったか。あなたが言っているように、上司からの評価が低かったんだなと。あなたがいみじくも自分で分析しているように、僕も上司からの評価が低かった。
配属された3人のうち、1人をどこか転部させろと言われたようなんだ。そういう指示が上から来たとき、3人のうちで一番優秀な人を外に出しますか? 2番目に優秀な人を出しますか? どうでもいい、出してもいいやつを出しますよね。それが、僕だった。
大竹:なるほど。
上田:それで、僕は日経新聞を取るのをやめました。
大竹:日経に八つ当たりしないでください(笑)。
上田:会社も辞めようと思いましたよ。もう、やっていられないとね。
だけど「待てよ」と。遠くの田舎から東京に出てきて社会人になって、大きな会社に入ったのに1年目で辞めるのかと。しかも、転勤先が大阪だったから、大阪弁すら聞いたことがなかった僕は、会社のお金で大阪に行かせてもらえるんだったら、会社を恨むよりも、会社に感謝してまずは行ってみて、それから様子を見ようと考え直したんです。
異動した先は暇な部署ですよ。しかも上司も、「上田君、君は〇〇をしなきゃいけない」とか、そういう指示は何もしてくれなかった。しかも、「自分がもらっている給料に見合う分の仕事は何かやって、利益を上げてくれ」とか言うんですよ。むちゃくちゃだよね。まだ1年目なのに。
大竹:どんな仕事を担当していたのですか。
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