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上田準二さんの「お悩み相談」。 今回は、長期出張続きで心身ともにつらいという40歳の女性から。定年までの残り20年、どうやって働いていこうか悩んでいます。上田さんは、「有給休暇をしっかり取った上で、会社に現状のつらさをもっと伝えよう」とアドバイスします。

悩み: 定年までの残り20年、今の会社で働き続ける自信がありません。給料もやりがいも不満はないのですが、長期出張が多く、心身ともにとてもつらいです。会社は現場主義で人員の余裕がなく、配慮してもらえません。どうしたらいいでしょうか。

 定年までの残り20年を、この会社で働き続ける覚悟が決まりません。残りの人生を今の会社で働き続けるか、定年まで働けそうな会社に、人生最後に転職するか迷っています。

 仕事はやりがいがあり、出世はしていないものの、仕事が大変な分、納得できる金額の給料はもらっています。ただ、長距離の出張が非常に多く、期間も月の半分ほど、長いときは3カ月連続で出張があります。

 出張先では肉体労働もあるので、肉体的、精神的にきつくなってきました。体のことを理由に、将来的に出張の少ない担当へ変えてもらえないか会社に相談してみましたが、現場主義がポリシーで、かつ人員の余裕がないので無理だと言われてしまいました。出張を除けば特に不満はないのですが、この先ずっと今の仕事を続けるのはつらく感じます。

 一方、転職エージェントに相談しましたが、紹介できる求人がないと言われたほか、給料が大幅に下がる求人ばかりで、受けたいと思える会社もまだ見つかりません。体にむち打って、定年まで働き続ける覚悟を決めるべきでしょうか。

(40歳 女性 会社員)

大竹剛(日経ビジネス編集):40歳で、20年先の定年のことを考えるとはしっかりしていますね。

上田準二:自分の人生、年齢を振り返ってみると、40歳から60歳までの20年は、長いようであり、あっという間なんですよね。あなたのこれからの20年というのは、終わってみればあっという間。これから20年やっていかなければいけないと思えば長いし、それをあなたはどうとらえるかと。

 特に出世は望んでないみたいだよね。そうなってくると、あとは年収と、仕事のやりがいと、そして健康とのバランス。あなたは、今の年収とやりがいには満足しているようだけど、出張が多くて健康が不安ということなんだね。

 健康と仕事、どっちを取るか。転職先を探しても、なかなかない。あったとしても、給料が大幅に下がる。給料の下がる度合いが生活に困るようなレベルであれば、この道は選べませんよね。

大竹:そうですね。

上田:そうすると、これからの年収がある程度保証されなければ、転職もままならない。この相談内容から推察するに、転職はそこまで積極的に考えていないのではないかな。

 そうであれば、給料もやりがいもある今の会社で、何とか健康の問題を解決できるよう、もう少し意思表示をしっかりしてもいいのではないでしょうか。会社には相談したと書いてありますが、どれくらい、あなたが負担を感じているのかを、再度、しっかりと伝えてみましょう。

 「3カ月連続の出張は、さすがに心身ともにかなりこたえます。3カ月連続で出張になりそうな場合は、他の人とのローテーションを工夫するなど、そうならないように変えていただきたい」とか、こんな具合に。

 そして、こうした出張が続くときには、しっかりと有給休暇を取って、自らの権利を行使しましょう。仕事の合間には、必ず有給休暇を取って心と体をリフレッシュした方がいい。今の会社が憎いわけでも何でもなく、やりがいがあると言っているのだから、今の会社で何とか、仕事と健康のバランスをうまく取る方法を考えた方がいいと思うね。