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上田準二さんの「お悩み相談」。今回は、オーバーワークが常態化し、責任の所在も曖昧な大学の組織でパートとして働く女性の悩み。仕事について上司の誰に聞いても「分からない」との答えで、疲弊してしまっています。上田さんは「民間企業ならあり得ない」としつつ、そのような組織では力を抜いて働くことを勧めます。

悩み:ある大学の組織で事務補佐の仕事をパートでしています。人手不足でオーバーワークが常態化している上に責任の所在が曖昧で、疲弊してしまいました。

 こんにちは。大学の中に置かれている、ある組織の事務補佐として昨年4月からパートで働いています。この仕事に就いてから知ったのですが、この組織に事務員は1人しか置かれていないため、オーバーワークが常態化しており、私の前任者とその前の方は1年、さらにその前の方は、3カ月で辞めています。また、何か分からないことがあって組織の上司に聞いても「事務のことは分からない」と言われ、事務方の上司に聞くと「組織のことは分からない」と言われてしまうなど、責任の所在が不確かです。

 1年間、前任者の方々の残されたファイルだけを頼りにやってきましたが、こなさなければならない仕事は、量も質も私の能力を超えており、疲弊してしまいました。私も今年度いっぱいで退職させていただくことになっています。しかし、問題なのは年度末のここへ来て消化しきれなかった仕事が完全に遅滞していることで、3月できちんと終わらせられるのか不安で夜も寝られません。上司に相談したいのですが、今までと同様に「分からない」と答えられるだけだと思うと相談もしづらいです。

 使い切らなければならない多額の予算など、私一人では決裁できない案件もあり、どのように話をしたら解決策を一緒に探していただけるのか分からず、頭を抱えています。

(51歳 女性 アルバイト・パート)

大竹剛(日経ビジネス編集):相談の内容から推測すると、この方はとても責任感が強いようです。年度末に退職することは決まっているとのことで、既に、退職されているかもしれません。

上田準二:そうだね。恐らく、きっと問題なく退職できているのではないかな。志村けんさんの名ぜりふではないけど、「大丈夫だぁ~」ですよ。前の方は3カ月、その前の方は1年で辞めた。上司に「これ、どうですか」と聞いても分からないと言う。それでも、それなりに事務は回っていた。

 前の方が辞めたときは、そもそも3カ月しか働いていないのですから、そもそも引き継ぎなんて十分にやる余裕もなかったでしょうし、やれなかったと思います。その前の方だって同じでしょう。だから、あなたはまず、そういう現実を踏まえた上で、そんなに深刻に考えてはいけません。自分ができる範囲のことをやって、それで退職なさったらいいんです。

大竹:何事もなく、うまく退職できていたらいいですね。

上田:大丈夫ですよ。前の方は3カ月、その前の方は1年で辞めて、あなたが質問をしても上司は「分からない」と答えている状況でも問題は起きていないのですから。そのような状況であなた一人が深刻に悩む必要はないですよ。

大竹:辞めると決めていても「終わらせられるか不安で夜も眠れません」と書いています。責任感のある方ですよね。

上田:あなた自身は責任感も強いし、「量も質も私の能力を超えている」という、謙虚に仕事に精いっぱい向き合おうという気持ちもある。どんな組織でも、あなたはうまくやっていけますよ。