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上田準二さんの「お悩み相談」。今回は、もうすぐ再雇用という年上の部下の扱いに悩む課長の悩み。弁が立ち、指導をしても「できない理由」をあれこれ言われ、すぐに話をすり替えられてしまいます。上田さんは「遠慮はいらない」と厳しい態度で対応し、課長としての権限を示すようにアドバイスします。

悩み:もうすぐ再雇用という先輩社員の扱いに困っています。私は昨年10月に課長を拝命したのですが、 その部下に指導しても「できない理由」ばかりを挙げられ、全く歯が立ちません。どうしたらいいでしょうか。

 昨年の10月から総務経理の課長職を拝命し、日々の業務に追われる毎日です。私は中途入社で、課員は私と同年代で社歴は私より10年ほど長い人が2人、私よりも年上でまもなく再雇用の先輩社員が1人、中途入社で私よりも年上の3年目の社員、私よりも年上のパート社員が2人、全員女性というチーム構成となっています。

 私は、課として担当する業務のほかに、支店で横断的に行っているカスタマーサービスの旗振りを担当しておりますが、まもなく再雇用の先輩社員にどのように指導していいものかが分からず、困っております。

 彼女は課長補佐で、リーダー的な立場でありながら、私から見ればその業務への取り組みが満足できるものではありません。ほかの社員への示しもつかないため、支店長からきっちり指導するようにと言われ続けております。ほかの課員には育児時短勤務や傷病時短勤務の人もいますが、非常に意欲的で、そのおかげで課としての数字は達成できております。

 いざ、その方に指導しようと面談などを行っても、この業務が忙しくてそれどころじゃないと、あーでもないこーでもないと、できない理由を並べ立てます。弁が立ち、何時間でも話す人で、30分くらいでは別の話にすり替えられてしまい、全く歯が立ちません。

 既に上位職にはなれない年代で、評価などでモチベーションを上げられるとも思えず、どのような方針で対応したらいいのか分かりません。彼女の納得感をどのように対応したら得られるか、アドバイスをお願いします。

(47歳、女性、会社員)

上田準二:なるほど。相談を読むと、あなたはとにかく能力がある方のようだね。中途入社で課長になって、同年代の課員や先輩の課員がいる中でリーダー的な立場に立っているわけですね。だから、会社からも評価されていることでしょう。そうした状況の中で、課長補佐の女性については、支店長からも「よく指導してくれ」と言われているくらいですから、あなたも支店長も「問題がある」ということを認識しているわけですね。

 よくある悩みというのは、仕事をちゃんとしない部下が、あなたの上司にあなたの悪口を言いふらすといったケースだけど、今回の場合はあなたの上司も、この課長補佐の女性の問題を認識しているわけです。しからば、あなたはもっと自信を持って、彼女に対してストレートに指導すべきです。

 もうすぐ再雇用という年齢だから、この先の昇進の可能性を示してモチベーションを高めることができない、ということですが、駄目なものは駄目だと、しっかりと評価すべきです。

 「私の課の中で、あなたは課長補佐という立場で私の業務を補佐する立場にあります。だけど、そういう効果を発揮してくれていません。従って、このままだとあなたの考課を下げざるを得ません。私があなたに要望することは、できない理由を延々と挙げることではなくて、どうやったらできるかということを、私に報告してくれることです」

 こんな具合にね。どうやら彼女は弁が立つ方のようで、すぐに話をすり替えられて全く歯が立たないということだね。そういう相手には、長々と話しても言い負かされるだけです。だから、反論してきたら「できない理由は結構です」とピシャッと突き放す。「どうやったらできるかを私に提案してください」とね。

 要するに、課長としての役職上の権限を、彼女にきっちりと知らせる必要があります。きっちり指導しろと上司が言っている意味は、そういうことでもあるんですよ。

大竹剛(日経ビジネス編集):なるほどね。年上の部下だろうが、遠慮はいらない。