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上田準二さんの「お悩み相談」。今回は、パワハラ上司に何とか制裁を加えようと考えている女性から。上田さんは「相手にするのはエネルギーの無駄」という一方、「どうしてもと言うのなら」と、制裁を加える方法を指南します。

悩み:パワハラ上司の暴走が止まりません。複数の女性社員を「バカ」「デブ」と罵倒し、パワハラホットラインに通報されると「あいつにリンリンされちゃってさぁ」と公然とちゃかします。しかも不倫の噂まであります。どうすればこの上司の鼻を明かせるでしょうか。

 直属の上司のパワハラに悩んでいます。もともと口が悪く、ご自身でもそれを売りにしていた方ですが、最近は身に余るものを感じています。私の所属部には、私以外に3人女性社員がおり、うち2人に対して常に「お前バカか」「デブ」など、ひどい言葉で罵倒したり、残業の強要をしたりします。

 耐えかねた1人が社内のホットラインに相談したのですが、結果、何も変わりませんでした(そのホットラインの意義も問題ですが……)。そればかりか「あいつにリンリンされちゃってさぁ」「お前も気をつけろよ、リンリンされちゃうぞ」「ま、何されても俺は関係ないけどな」と、多くの人の前でちゃかすような発言を繰り返し、もはや彼女がホットラインへ相談したことは、公然の秘密になっている次第です。

 さらに、たちが悪いことに、うち1人の女性社員をお気に入りで(定かではありませんが、不倫の噂もあります)、その彼女と出張や接待を名目に会社経費で高級な店で飲み食いを繰り返しています。これも多くの社員が知るところですが、とにかく強く、口が悪く、立場が上で、実際のところ仕事もできる方なので、怖くて誰も指摘できない状況です。

 部の雰囲気も悪くなる一方で、何とかこの上司の鼻を明かしてやりたいと考えているのですが、どうしたらよいでしょう。

(50歳、女性、正社員)

1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年に伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、99年に食料部門長補佐兼CVS事業部長に。2000年5月にファミリーマートに移り、2002年に代表取締役社長に就任。2013年に代表取締役会長となり、ユニーグループとの経営統合を主導。2016年9月、新しく設立したユニー・ファミリーマートホールディングス(現ファミリーマート)の代表取締役社長に就任。2017年3月から同社取締役相談役。同年5月に取締役を退任。趣味は麻雀、料理、釣り、ゴルフ、読書など。料理の腕前はプロ顔負け。2019年5月末に相談役を退任。(写真:的野弘路)

大竹剛(日経ビジネス編集部):今回は上司のパワハラに悩む女性からです。これはかなりひどい話で、パワハラホットラインで相談しても全く効果がないどころか、逆に「リンリンされちゃうぞ」と公然とちゃかされるようになったとのことです。何とか、このパワハラ上司の鼻を明かすことはできるのでしょうか。

上田準二:まず、あなたはこのパワハラ上司の鼻を明かしてやりたいなんて、思ってはだめです。この程度の人間のために対抗するようなことを考える必要はないんじゃない? どの会社にも、大なり小なりいるのよ、こういうやからは。この上司のおかげで、このチームにはパワハラがまん延している感じになっているようだ。

 この上司、「リンリンされちゃうぞ」とか「デブ」とか部下を何かとちゃかすことで、自分自身が恍惚(こうこつ)状態になっているんでしょう。そんな低レベルな人物に対抗して鼻を明かしてやろうなんて、あなたのエネルギーの無駄遣いだよ。淡々と、この上司の物言いを右の耳から左の耳に通過させて、いなすぐらいの度量を持てるといいね。その方が、あなた自身の気が休まりますよ。

 ただし、本当にあなたがこの上司をどうしても許せない、というのであれば、方法があるよ。

大竹:おお、何ですか。上田さん流のお返しの一手を教えてください。