ホットライン、1人の通報で効果がないなら連名で

上田:まず、ホットラインに電話しても効果がなかったのは、通報したのがたった1人だったからかもしれない。恐らく、会社もこのパワハラ上司に一応注意はしたでしょう。しかし、いわゆる“できる男”と社内でも評価されているような権力者だろうから、しっかりとした処分も出ず、うやむやになっている可能性がある。この手の話は、トップがしっかりと制裁を加える気にならないと、動かないことが多いからね。

 では、どうやってトップを動かすか。直接的なパワハラ被害を受けた1人だけがホットラインに通報するのではなく、あなたも含め、許せないと思っている人たちが結集して、連名でホットラインにレターを出してみてはどうだろうか。

大竹:被害を受けているのは1人だけではない、ということを連名で主張するのですね。

上田:ええ。通常、ホットラインは実名でも匿名でも通報を受け付けているでしょうから、匿名の連名でやってみてもいい。

 「このままでは組織は崩壊するし、業務効率も上がりません」と連名で訴えてみてください。

 私だったら、「このバカ。また始まった」と心の中で思ってやり過ごすけれど、今の時代、パワハラは看過できないし、目に余る状況を放置していると皆が精神を病んでしまう可能性もある。ただ、1人で挑んでも勝ち目がないのなら、連名で挑んでみてはどうかな。

大竹:もうこれだけ公然とひどいことを言い放っているのであれば、その発言を録音してホットラインに提供すれば、さらに効果があるかもしれませんね。「リンリンされちゃうぞ」なんて、もうアウトでしょう。

上田:録音もいいね。それと、「定かではありませんが、不倫の噂もあります」と書いているね。多くの会社であるよね、こういう噂は。必要のない出張に女性部下を連れていったり、一緒に飲み食いしたり。それがばれてホットラインに通報されて、会社が男の出張の経費を調べたり、不倫相手の女性の勤怠表を調べたりして、証拠が挙がってアウトとなる。

 組織内での権力を使ってパワハラをするような上司は、パワハラだけではなくて他にも問題を抱えている場合が少なからずある。その1つが、会社の経費を使った不倫だよ。調査をして証拠が複数出てきたら、「事実無根です」なんて言い訳は通用しなくなる。

 この方の会社の従業員数は1000~4999人ということだから、立派な大企業です(編集部注:お悩みをご投稿いただく際に、従業員数もお聞きしています)。ホットラインを用意しているということは、本来、会社として、パワハラも含めコンプライアンス(法令順守)に違反するような行動については厳しく対処するという狙いはあるはずです。

 だから、仮にホットラインに1回通報して効果がなかったのなら、何度も通報したらいいんです。録音データや写真といった証拠とともにね。そうなると、会社も動かざるを得ない。

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