笑顔を忘れると、会社の思うつぼに

大竹:笑顔で、淡々と。

上田:笑顔で、淡々と、自分がカバーしている仕事をしてみましょう。それで会社の評価が変わるか、変わらないのか、周囲の雰囲気が変わってくるのか、まず、試してみるんです。

大竹:モチベーションが下がって、ふてくされているような感じで仕事をしていたら、ある意味、会社の思うつぼ。

上田:そうですよ。今のままでは、あなたが想像している通りの方向に事態が進んでいく可能性が高くなるでしょう。あなたがそれに対して立ち向かおうと考えるのなら、まずは明るく元気に、組織の中でもよく話をして、コミュニケーションを深めていくしか道はありません。今のような状況で、ずるずるとモチベーションを下げていったら、あなたが思っている悪い方、悪い方へと現実が追いかけていきますよ。

大竹:なるほどね。現実がそうなっちゃう。彼女自身も、こういうときの心構えや、やり過ごす術を教えてくださいと言っているので、そう心がけるのはいいかもしれないですね。

上田:ただし、ここで一つ、気を付けておいてほしいことがあるんですよ。これまでも、自分が思っているような評価をもらえないというお悩みをたくさん頂いていますが、そもそも人事評価と自己評価というものはギャップがあるものです。それが、時として大きなギャップになることがある。これは、どの組織においてもあり得ることです。

 だから、自己評価だけが正しいと考えるのは、やめたほうがいい。自分が今、どんな努力ができるのかを先に考えましょう。

大竹:最近、50代を狙い撃ちした早期退職を募集する会社が増えていますが、会社が辞めてほしくないと思っている優秀な人ほど辞めていって、そうでない人ほど「自分は会社にとって必要な人材だ」と言って辞めていかないという話も聞くことがあります。

上田:それは会社にとっても、評価されていないのに勘違いして会社に残る人にとっても、お互いに不幸だよね。そもそも、早期退職のときに限らず、人事評価と自己評価のギャップを少しでも埋めていくためには、上司は部下としっかり面談をして、評価をフィードバックすることが欠かせないんだ。

大竹:そうですよね。ただ、それを嫌がる会社もありますよね。上司は部下に対して、場合によっては厳しいことを言わなければなりませんし、手間もかかるから。

上田:それは誰しも苦手なものですよ。苦手だけど、やらなければいけない。特に、評価が低い人に対して、なぜそうなのかをしっかり伝えるべきなんです。

 それは、面談でこてんぱんに叱りつけるといったパワハラ的なものであってはいけませんが、どうしてこういう評価なのかを明確に伝える必要があります。

 僕がファミリーマートの社長をしていたときには、面談表というものを作ったんです。

大竹:面談表?

上田:話した項目を書いて、部下が「これで面談をしました」と、面談の場ではんこを押す。はんこがない面談表は、人事が突き返す。

大竹:上司はしっかりと部下と面談しないと、はんこを部下からもらえない。逃げられないわけですね。

上田:逃げられないね。

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