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上田準二さんの「お悩み相談」。今回は海外に6年以上出向している42歳の男性から。お酒で失敗し懲戒処分を受けた過去が昇進に響いているのではと悩んでいます。上田さんは、「懲戒処分は5年もすればみんな忘れる」と心配はいらないとアドバイスします。

悩み:海外の現地法人に6年以上出向している42歳です。それなりに結果も出していますが、いまだ管理職に昇進できません。お酒で懲戒処分を受けた過去が響いているのでしょうか。

 42歳の大手企業会社員で、新卒から勤続19年となります。現在は海外の現地法人に6年以上出向し、ナショナルスタッフの部下を持ち、セールスマネジャーをしています。一見順調なキャリアを歩んでいるように見え、営業成績もそれなりな結果を出していますが、この歳でまだ管理職試験の声が1度もかかったことがありません。同期は大体早くて34歳から遅くても40歳までには合格します。

 実は理由は分かっていて、若い頃にお酒の失敗が原因で警察沙汰を起こし懲戒処分を受けたことがあるからです。会社は甘くなく、1度懲戒処分を受けた者はそう簡単には管理職に上がることはできないようです。

 現在は仕事も充実し、海外勤務手当もありそれなりの給与をもらっていますので不自由はありません。しかし、いずれ日本に帰国した際には、管理的なポジションには戻れず、いずれは年下の上司に仕え、同期がどんどん出世していくのを見るのは恐らく我慢ができなくなるのではと予想されます。

 今のタイミングで転職をしておくべきか、今の会社で劇的な結果を出して登用してもらうように頑張るべきか、アドバイスを頂けないでしょうか。

(42歳、男性、正社員)

大竹 剛(日経ビジネス): 42歳で海外に出向中の男性からです。一見すると良いキャリアを歩んでいるように見えて、実は過去にお酒の失敗で懲戒処分を受けたとか。同期と比べて出世が遅れているのは、この懲戒処分が原因だと考えているようです。

上田準二:僕はこういう人を何人も見てきたね。僕が伊藤忠商事にいた頃、5歳から10歳年上で海外駐在をしている先輩から、いろいろ聞いたよ。「上田君、君は海外へ駐在しないほうがいいよ。やっぱり内地、本社にいてステップアップをしていくのが、一番の王道だ」とかね。

大竹:海外に出ることが出世街道のように見える商社でもそうだったんですか。

上田:そうだよ。ただ、当時は1ドル360円の時代だから、駐在して戻ってくれば、家が1軒建つともいわれていた。我々サラリーマンは20年、30年ローンを組まなきゃいけなかったのに、駐在員はその必要がなかったくらいだから。

 ただ、出世はあきらめたという人が結構いた。人事考課から昇進の制度まで、海外は別だから。海外で部長とか支店長とかでも、本社に戻ると課長のポストもないというようなことがあったわけだ(笑)。

大竹:そういう時代だったんですね。今はだいぶ変わったのではないでしょうか。

上田:どうだろうね。今も海外駐在が長いと不利になることもあるだろう。

大竹:そうですか。

上田:そう思うよ。やはり本社にいる人間は、それなりに責任があって、幅広い分野で仕事をしているわけです。