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上田準二さんの「お悩み相談」。今回は結婚して半年、現在妊娠中の女性から。夫が地域の「社会貢献活動」に夢中で、家計が苦しくて困っています。夫の活動を応援すべきか、諦めてもらうべきか。上田さんのアドバイスは?

悩み:結婚して半年、旦那が地域の「社会貢献活動」に夢中で、家計が苦しくなり悩んでいます。現在妊娠中で、これからのことも考えると不安です。旦那にその活動を諦めてもらうべきか、夢を応援し続けるべきか、どうしたらよいでしょうか。

 頑張る旦那を応援したいのですが、金銭的に厳しい……。夢を諦めてもらうか、やりたいようにやらせてあげるべきか悩んでいます。

 現在、結婚して半年。そもそも結婚は私の望みで、一昨年、結婚か、それとも別れるかを旦那に迫り、今に至ります。私も正社員として働いており、給料はそこそこもらっています。旦那は、結婚前は金融関係で営業をしていて、あまり成績が良い方ではなく収入の波もあり、上司との関係も悩んでいました。結婚の話と同時に安定してほしいと転職を勧め、現在、転職して半年以上になります。

 旦那は前職のときから地域の若者が参加する社会貢献活動に夢中で、転職先も結局、安定した職種ではなく、活動が続けやすいという理由で選び、営業の仕事をしています。しかも、転職して半年以上たつのにまだ結果を出せておらず、ほとんど収入がありません。

 私はこのたび妊娠していることが分かり、今後育休に入ると旦那の収入がしっかりしないと生活していけません。結婚と出産は私の念願でしたが、旦那には願望を押し付けてしまったという思いもあり、旦那の夢も応援してあげたいとは思っています。しかし、このまま旦那に収入がなく、地域の活動もするとなると、あっという間に私の蓄えも底をついてしまいます。

 旦那には「今の状況では経済的に厳しい。社会貢献活動を続ける前に家賃も払えなくなる。来年は諦めてほしい」とは伝えてしまいましたが、あんなに夢中になってやっていることをやめさせるのは心苦しいです。どこまで応援してあげるべきでしょうか。今年で最後にしてもらうべきか、お金が続く限りやらせてあげるべきか、悩んでいます。よろしくお願い致します。

(31歳 女性 会社員)

1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年に伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、99年に食料部門長補佐兼CVS事業部長に。2000年5月にファミリーマートに移り、2002年に代表取締役社長に就任。2013年に代表取締役会長となり、ユニーグループとの経営統合を主導。2016年9月、新しく設立したユニー・ファミリーマートホールディングス(現・ファミリーマート)の代表取締役社長に就任。2017年3月から同社取締役相談役。同年5月に取締役を退任。趣味は麻雀、料理、釣り、ゴルフ、読書など。料理の腕前はプロ顔負け。2019年5月末に相談役を退任。(写真:的野弘路)

上田準二:蓄えがすぐ底をつくと言っているから、えらく金のかかる遊びだなと思ったのだけど、社会貢献活動をする地域の団体に入っているということなんだよね?

大竹(日経ビジネス):そのようです。

上田:前職でも今の仕事でも営業をしているということだけど、結果をなかなか出せていないようだね。会社以外の団体に入って、そのネットワークを営業に生かそうとしたのかもしれないけれど、それもうまくいっていないのかな。

大竹:地域での活動にはいろいろな団体がありますよね。町内会のような自治体組織や青年会議所のような若者主体の組織など、様々です。

上田:そうだね。ただ、この方が言うように、僕もこれまで何人かそうした活動に参加している経営者を見てきたけど、所属する団体によっては、意外とお金と時間がかかるものだよ。様々なイベントの開催やその準備、知見を広げるための視察、メンバーの親睦を深めるための宴会などがあるし、役職に就くとメンバーを束ねて組織を運営していかなくてはいけない。お金と時間に余裕のある人なら問題なく活動できても、もし、仕事や生活に支障をきたすようになっては本末転倒だよ。「このままでいけない」と思っていても、なかなか「やめる」とは言いだせないという人をたくさん見てきたよ。

大竹:この旦那さんの夢は、こうした団体での活動を通じて社会貢献をすることなのかもしれません。

上田:だけど、奥さんの蓄えまですっからかんになってしまうようでは困るでしょう。これから子供が生まれるという状況なのだから、今の生活で何を優先すべきなのか、そこをご主人としっかり話し合った方がいい。