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上田準二さんの「お悩み相談」。今回は、仕事で残業が多い妻のことを気づかう男性から。妻が体を壊してしまうのではないかと心配していますが、自分が妻の会社に直接是正を求めることもできず、どうすべきか悩んでいます。上田さんは、「まずは残業時間の正確な把握を」と助言します。

悩み:妻の仕事が激務で体を壊さないか心配です。夕食の支度などの家事は私が代わりにやることでどうにかなっていますが、この状況を変えるためのアドバイスをいただけないでしょうか。

 妻(50歳)の仕事のことで悩んでいます。妻は人材派遣会社の地方支店で働いています。人の出入りの激しい業界の中、10数年間勤めており、社員で一番のベテランになっています。結果、他の人がこなせない、手間のかかる仕事が全て妻に飛んでくるらしく、日が変わる頃に帰ってくることもざらです。

 その割に他の社員は19時から20時くらいには帰っているようで、彼女1人が延々と働いているようです。しかも年俸制ということで、残業手当も付いていない(多少は給与に含まれているとのこと)状況で、額面でほぼ400万円です。これは結婚後に地域限定社員扱いになり、給与が2割減になった影響もあります。

 私の職場は子育てに理解があり、フレックス制度などを活用して夕食の支度などは私がすることで、どうにかなってはいるのですが、このままではいつか妻が倒れてしまうのではないか、と心配しています。妻は「仕方がないの」と言いますが、この状況を変えるために、どう対応すべきなのか、私にできることがないかを考え続けています。しかし、答えが見つかりません。

 私が支店長などに申し入れすることは絶対に嫌だと言われています。何かアドバイスをいただけないでしょうか。

(48歳 男性 会社員)

大竹剛(日経ビジネス):年収の割にあわないほどの忙しさで働く妻の健康を心配する男性からの相談です。優しい旦那さんですよね。旦那さんにしてみたら、奥さんのことが心配で仕方がないんだと思います。

1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年に伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、99年に食料部門長補佐兼CVS事業部長に。2000年5月にファミリーマートに移り、2002年に代表取締役社長に就任。2013年に代表取締役会長となり、ユニーグループとの経営統合を主導。2016年9月、新しく設立したユニー・ファミリーマートホールディングスの代表取締役社長に就任。2017年3月から同社取締役相談役。同年5月に取締役を退任。趣味は麻雀、料理、釣り、ゴルフ、読書など。料理の腕前はプロ顔負け。2019年5月末に相談役を退任。(写真:的野弘路)

上田準二:うーん。

大竹:どうされました?

上田:年俸制といっても、労働基準法を超えるような時間で勤務しているというのは、もう違法でしょう。従って、そうした法の限度を超えているような残業をやっているようであれば、これはもう、是正を求めるべきですよ。それによって、会社側が、彼女に仕事を集中させている状況を改善しないといけません。だから、まずは残業時間の実態を正確に把握しましょう。それを基に、会社側としっかり話し合うべきです。

 奥さんが、あなたから会社に言ってもらうことを嫌がっているというのは、当然でしょうね。まずは奥さん自身が、今の業務量では法的な労働時間の限度を超えてしまうことを伝えて、仕事の分量を減らしてもらうか、あるいは人員の増加などをお願いすることです。

 ただ、時期によって時々深夜になることもあるということであれば、月間で残業時間の上限が決まっているわけだから、奥さんが調整していく必要があるでしょう。所定の労働時間内で、たまには深夜に及ぶことがあるということなら、これはあなたが奥さんのことをよくケアしてあげてください。今も食事を作ってあげているようだけど、奥さんは業務上、おそらく日々ストレスを感じていることだろうから、奥さんの話を聞いてあげる時間を努めてつくりましょう。