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上田準二さんの「お悩み相談」。今回はフリーランスで働く女性から。妊娠してから仕事が減り、夫に経済的に頼らざるを得ない状況を受け入れられず悩んでいます。上田さんは「お金について夫婦間での遠慮は無用だ」とアドバイスします。

悩み:フリーランスの仕事をしていますが、妊娠してから仕事がなくなり、夫に頼らざるを得なくなりました。夫から経済的に援助を受けることに抵抗感があるのですが、どういう気持ちで今の状況を受け入れたらいいでしょうか。

 大学卒業後10年ほど会社員をしてから、通訳・カウンセラー・講師業などで脱サラしてフリーランスになりました。その後1年半ほどして結婚し、妊娠すると、継続的にもらっていた仕事を下ろされてしまいました。自分で自由になるお金や、私から家計に入れていた分を捻出できなくなりつつあります。

 (妊娠の)安定期なので軽作業的なアルバイトでも、と思って数件応募してみましたが不採用となり……。「しょうがないよ」と夫は言ってくれるのですが、代わりに私が家事を担当し、夫にお小遣いをねだるようなことになり、申し訳ない気がして夫に頼ることに抵抗があります。

 無事に出産したとしても、このままでは私自身の年齢や、子供が保育園に入れるかなど、この先もいろいろな悩みが付きまとうと思います。再び仕事を得るまでは、主婦として母親として、抵抗感なく安心して夫から経済的な援助を受けるには、どういう気持ちの持ち方や行動をしたらよいのでしょうか。ご助言をお願いいたします。

(34歳 女性 自営業者)

1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年に伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、99年に食料部門長補佐兼CVS事業部長に。2000年5月にファミリーマートに移り、2002年に代表取締役社長に就任。2013年に代表取締役会長となり、ユニーグループとの経営統合を主導。2016年9月、新しく設立したユニー・ファミリーマートホールディングスの代表取締役社長に就任。2017年3月から同社取締役相談役。同年5月に取締役を退任。趣味は麻雀、料理、釣り、ゴルフ、読書など。料理の腕前はプロ顔負け。2019年5月末に相談役を退任。(写真:的野弘路)

大竹剛(日経ビジネス):今回は、フリーランスで働く出産を控えた女性からです。今、仕事ができない状況のようですが、経済的に夫に頼ってはいけないという思いがあるようです。

上田準二(ユニー・ファミリーマートホールディングス元相談役):今34歳でしょう。初めての子供が生まれるということだね。今は主婦として、母親として、経済的には夫に頼らざるを得ない状況にある。

大竹:再び仕事を得るまでは。

上田:生まれてくる子供の母親をやらなくてはいけないというのは、大変な責任と役割ですよ。あなたは、夫に気を遣い過ぎです。相談内容から想像すると、あなたの夫は妻と子供に対する経済的な責任をしっかり果たしますよ。あなたが軽作業的なアルバイトをしようとして不採用になったとき、「しょうがないよ」と言ってくれたということは、あなたに対して優しい夫なんです。

大竹:無理をしなくていいということですね。

上田:そうです。あなたの悩みは取り越し苦労です。まずは、出産という人生の一大事を乗り切ってください。出産し、保育園もしっかり探して、お金のことは夫に任せましょう。経済的に夫に頼ることを気にする必要はまったくありません。