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上田準二さんの「お悩み相談」。今回は、32歳までに派遣社員として7社を渡り歩いてきた女性から。宝飾品の販売、福祉関連、工場の作業員など何でもまじめに取り組んできたが、どうしても飽きっぽく、「定職」に就こうか迷っています。上田さんは「正社員になるだけが人生じゃない」と、自分自身の「才能」を受け入れるようアドバイスします。

悩み:転職8社目の32です。この先、どうしていけばいいか分かりません。

 現在、大手メーカーで派遣社員をしています。仕事内容はクリエーターで、簡単ではありますがデザインの仕事をしています。私は今、32歳。小学生の子供が2人いて、主人と主人の両親と同居しています。年齢的にも家庭環境的にも、バリバリ働ける状況で、35歳までに定職に就かなければと焦っています。

 現在までに7社で働いてきましたが、仕事内容は様々でした。宝飾販売、営業、デザイナー、OAインストラクター、福祉、事務、工場の作業員などです。それぞれ、辞めた理由は様々ですが、とても良い経験をさせていただきました。

 お世話になった数社の会社の社長とは今でも仲良くさせていただいています。また、頼まれてアルバイトやアドバイスをしている会社もあります。でも、「戻りたい!」とは正直思いません。魅力を感じないのです。

 もしかしたら私は、ある程度、その会社で学ばせていただいたら、もう飽きてしまうのかもしれません。私の仕事の姿勢は良くも悪くも、まじめ、その一言です。たぶん、ずっと成長していきたいのだと思うのですが、そろそろ、落ち着かなければ、という思いもあって、悩んでいます。

 また就職しても、すぐに辞めてしまうのではないだろうか。起業も勧められますが、自信がない。いったい何をしたいのかも分かりません。ぜひ、アドバイスをお願いします。

(32歳 女性 契約・派遣社員)

上田準二(ユニー・ファミリーマートホールディングス元相談役):あなたは「落ち着かなければ」なんておっしゃっているけど、「落ち着く」という意味が分かってないと思うんですよ。なぜなら、何をしたいのかも分かってないのだから、落ち着くこともできないんじゃない?

 だから、何も悩むことなんてないと思う。今のままでいいんですよ。あなたはとにかく、目の前の仕事をバリバリこなしたらいい。「私にはこの道しかない」というのが今、あるわけではないのだから。

 僕は、「この道しかない」と、やりたい仕事が見つかっていることが大事だとは思いません。もちろん、ある人にとっては幸せなことだろうけど、「何でもやりたい」と言う思いがあってもいいんですよ。

 私にはこの道1つしかないという人もいるだろうし、いろいろ何でもやってみたいという人だっている。何でもやってみたいから、何年かやるとそれに飽きてしまう。そういう人がいたっていい。特にあなたは、それぞれの仕事をいいかげんにやっているのではなく、まじめにやっていて、社長や同僚から信頼されているわけだから。

大竹剛(日経ビジネス):そうですね。社長ともいい関係で、戻ってきてほしいとか、今でもアルバイトで仕事を頼まれたりしているくらいですから。