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上田準二さんがユニー・ファミマHDの相談役を退任されました。お疲れさまでした。しかし、「お悩み相談」は終わりません。今回は、「中年の危機」に陥っている55歳男性から。好きでもない仕事を定年までの4年間、そして嘱託社員としてさらに5年間、続けるべきか悩んでいます。上田さんは「好きな道を行け」と背中を押します。

悩み:現在55歳、「中年の危機」に陥っています。 定年までの4年間、さらにその後の嘱託社員としての5年間、好きでもない仕事を続けるべきでしょうか。

 今後の生き方について悩んでおり、上田先生にアドバイスいただけないかと思っています。いつも拝読しております。50代半ばの会社員です。「中年の危機」と言うのでしょうか。

 新卒で、いわゆる民間の経済研究所の研究員として就職し、機会があり外資系の同じ職種で13年間働きました。人に会い、お話をうかがい、そこから色々な発想を得るという仕事は楽しい経験でした。

 しかしその外資系企業が日本から撤退し、日系企業に転職することになりました。異分野の仕事でしたが懸命に10年間歯を食いしばり、社内でもそれなりに認めていただいたところで、ふと気づくと50代半ばを超えていて色々と考えています。

 もう定年まで5年を切り、60歳から嘱託社員になれたとしても、あと9年間この仕事をするしかありません。悲しいかな、それは自分がやりたいこととは大きく違います。諦めかけていたときに、親しい友人から「60歳からこそ好きなことを生業(なりわい)にする準備をすべきだ」という助言を受け、また規模は劣りますが自分がしたい仕事をしないかというお誘いを受けました。

 「もう十分やったんだからいいじゃないか。50代半ばで何を夢見ているんだ」という気持ちと「あと9年も自分を殺して生きるのか」という気持ちが交錯しています。

 上田先生のアドバイスをいただきたく存じます。

(55歳 男性 会社員)

大竹剛(日経ビジネス):上田さん、お疲れさまでした!

上田準二(ユニー・ファミリーマートホールディングス元相談役):ん? 突然どうしたの?

大竹:先月いっぱいで、ユニー・ファミリーマートホールディングスの相談役から退任されたとのこと。これで晴れて自由人ですね。

上田:そうなんだよ。ずるずると、長く会社にいてしまったからね。第2の人生は、かなり出遅れたよ。

大竹:いよいよ、「老後」ですよ。でもね、上田さん。私たちは上田さんを放っておきません。寄せられる相談は行列ができているような状況ですから。それに私自身、毎回こうしてお会いしていると、大変、人生の勉強になります。ありがとうございます。

 肩書きも今回から、「元相談役」とさせていただきます。

上田:はいはい、分かりましたよ。さっそく、いつものように始めましょうか。

 もう、お悩みは自分で読みましたよ。これ、答えは簡単でしょう。

大竹:「中年の危機」とご自分でおっしゃっています。

上田:定年まで5年を切っているんでしょう?

大竹:そのようです。