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ユニー・ファミマHD相談役、上田準二さんの「お悩み相談」。今回は、周囲を精神的に追い込む「怒鳴り課長」に悩む男性から。その矛先は、部下だけではなく部長や社長に対しても。上田さんは「怒鳴り課長は使いようがある。ただし、今の状況は危機的状況」と対処法をアドバイスします。

悩み:管理部門にいる上司を追い詰める課長が、会社を崩壊の危機に追い込んでいます。部長を退職に追い込み、社長に対しても怒鳴り散らし、課長本人も心を病んでしまいました。このよう状態からどうしたら抜け出せるのでしょうか。

 会社の管理部門が部門崩壊を起こしています。30人程度のソフトウエア開発会社ですが、管理部門に部長、課長、担当の3人が在籍しています。3年ほど前に部長が変わり、新しい部長が外から来たのですが、何かの会計処理に失敗したらしく、課長から責め立てられる状況が続きました。

 管理部門と実務部門は部屋が分かれているとはいえ、小さい会社なので課長の怒鳴り声は会社中に響きます。実務部門には協力会社さんやお客様もやって来ます。お構いなしに怒鳴り声が聞こえてくるのでホトホト困っていたのですが、やがて部長は心を病んで辞めてしまいました。

 そんな状況なので、担当も辞め、派遣で何人か来てもらいましたが続かず、昨年初めに入った新人も、出てこられなくなってしまいました。管理部長が辞めた後は、社長が管理部長を兼務しているのですが、最近では課長の怒りの矛先が社長に向いてしまい、社長への怒鳴り声が響き渡るようになりました。

 一方で、課長本人も心を病んでしまい、休んだり早退しがちになったりしてしまい、管理部門の業務が滞りがちで、こちらの業務に支障が出ております。社長は事務系出身ではなく、親会社から来る“雇われ社長”なので、管理部門の業務はできません。

 一度、社長に、管理部門兼務をやめ、新しい管理部長を雇い入れ、課長を外すように進言したことがあります。しかし人を探そうとすると、課長がすねるからなどと言って、なかなか煮え切りません。このような状態が2年以上も続いているこの会社は、とても危ないと感じております。

(45歳 男性 会社員)

大竹剛(日経ビジネス):上田さん、実はこのコラムが始まって、今回で100回目になります。

上田準二(ユニー・ファミリーマートホールディングス相談役):早いねぇ。もうそんなにやったの。

大竹:あっという間です。正直、これほど安定的に読者の皆さんから悩みが寄せられるとは想像していませんでした。皆さん、本当に悩んでいらっしゃいます。

 何度もお話していますが、日経ビジネスという、どちらかと言えば男臭いマッチョなメディアにもかかわらず、女性からもたくさんの悩みが寄せられているのは、うれしい想定外でした。職場の男性上司にも、同僚にも、父親にも、なかなか相談できない話を、上田さんなら打ち明けやすいということかもしれませんね。

上田:僕でよかったら、どんなことでも答えるよ。僕にとっては社会貢献活動みたいなものだから。

 実際先日も、会社のCSR(企業の社会的責任)活動の一環で、僕が生まれ育った秋田県から、秋田県湯沢市立雄勝中学校の生徒たちが訪ねてきてくれてね。そこでも、僕の経験を踏まえていろいろと話したんですよ。このコラムで話しているような話をね。突き詰めれば、人生いろいろあるけれど、目の前のことにしっかり、きっちり取り組んでいけば、必ず道は開けるものだよとね。

5月9日、上田さんが生まれ育った秋田県の地元の中学校の生徒たちに、仕事、社会への向き合い方を自身のエピソードを交えて伝えた

大竹:そうですね。私も読者の方々の悩みをこうして代読して、上田さんと話していると、勇気づけられます。

上田:なに? 大竹さんも悩んでいるの? 話してみてくださいよ(笑)。

大竹:いやいや、その前にまずは読者の皆さんの悩みをお伝えしないと。たくさん寄せられているので、私の悩みは最後の最後、後回しでいいです。

 ということで、今回のお悩みに移りましょう。