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ユニー・ファミマHD相談役、上田準二さんの「お悩み相談」。今回は、上司が理想とする職場を実現しようと努力を惜しまない女性から。周囲のモチベーションが低い同僚は冷ややかで、「どうして自分だけ頑張らなくてはいけないのか?」と疑問に感じ始めています。上田さんは「あなたもそんな周囲と同じようになりたいの?」と問いかけます。

悩み: 上司が理想とする業務改善を必死になって実現しても、周囲のモチベーションが低い人は仕事が大変だとアピールして仕事を避けてばかり。「なぜ自分だけ頑張らなくちゃいけないの?」と損した気分です。

業務改善とは何なのでしょうか? 女性だけのグループでルーティンワークをしています。効率よく作業ができるように日々工夫しています。一定の効果を出し、上司からも評価しているとは言われます。

しかし、グループは昇進や急激な昇給とは無関係なためか、モチベーションが低い人もいます。更に、そうしたモチベーションの低い人は、自分の仕事が大変だとアピールし、仕事が増えることを避けています。そして、上司もあまり積極的には注意しません。

上司の理想は、自発的に業務に取り組み、結果、グループ員が支え合う仕組み作りです。私はその理想を実現すべく業務内容の見直し、作業の重複の排除に取り組みました。しかし、業務改善をした分、結局また新しく仕事が詰め込まれただけで、どうしても損をした気分になります。

上司からは「言いたいことがあれば言いなさい」とは言われます。しかし、これ以上業務改善はしたくないとも言えず、モチベーションの低い人を個人攻撃で非難することもできません。徐々に私自身も、「なぜ頑張らなくちゃいけないんだ?」と疑問に思えてきました。

多分、今後もこの仕事の担当が続くので、どのように考えてこれから仕事に取り組んだらいいのか、アドバイスをお願いいたします。

(46歳 女性 会社員)

大竹剛(日経ビジネス):上田さん、今回は仕事に非常に前向きに取り組んできた46歳の女性からです。上司が理想とする職場を実現しようと、業務改善に取り組み成果を上げたものの、自分ばかり仕事が増える結果となり、「なぜ自分だけ頑張らなくてはいけないのか?」と疑問に感じ始めています。

 周囲のモチベーションが低い同僚たちに苛立ちながらも、上司に告げ口をすることも不満を言うこともなく、頑張り続けてきたようです。やる気を失ってしまうかどうかの瀬戸際の状況かもしれません。

上田準二(ユニー・ファミリーマートホールディングス相談役):まず、仕事が大変だからという理由でモチベーションが低く、その結果、仕事もできない同僚に囲まれながらも、あなたはモチベーションを高めて一生懸命改革に取り組んできたんですよね。それは、本当に素晴らしいことですよ。しかし、最近、これでいいのか、と思い始めている。

 さて、それでは、あなたもモチベーションを下げて、私の仕事は大変だとぼやいて、仕事量を減らしていくのですか? 大変だと不満を言いながら毎日会社に行って、楽しいでしょうか?

 この場合、実は損をしているのは、仕事が大変だと言ってモチベーションを下げている周りの人たちなんですよ。あなたは改革に取り組んで、無駄な仕事を排除して、新しい仕事が増えている。これこそが、モチベーションなんですよ。そう考えないと、今の会社はつまらないことになっちゃうよ。