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ユニー・ファミマHD相談役、上田準二さんの「お悩み相談」。今回は育児をしながらフルタイムで頑張っているのに、上司やライバルの同僚から嫌がらせを受けているという女性から。どうしたら前向きな気持ちを維持できるか、悩んでいます。上田さんは「周りは無視するに限る」と断言します。

悩み: 育児中、残業も飲み会もできず、頑張っても上司から評価されません。ライバルの同僚からは、くだらないいじめも受けます。どうしたら、前向きな気持ちを維持できるのでしょうか。

2歳児を育てながら、早朝出勤を行うことでフルタイム勤務しています。キャリアアップしていきたいという思いを、不妊治療中から上長にご説明しており、生後6カ月で復帰、1歳6カ月でフルタイムにしました。

「あともう一時間勤務が延びれば」「フルタイム勤務をすれば」(昇格試験の機会を与える)との上司の言葉に、子供の生活リズムを何カ月もかけて数分ずつ変化させ、できるだけ会社の期待に応えようとしてきました。チャレンジングな業務やみなが嫌がる業務を担い、成果も上げることができました。

上田様がおっしゃっているように、前向きなオーラが出せるように、負の言葉は口にしないように、前向きでいるように努力してきました。けれど、キャリアアップのチャンスはなかなかなく、上司からは「夜の残業や飲み会の調整をお願いできないのは、使いにくい。働き方改革とか言っているが君がいるとマイナスだ」との人事評価コメントをいただきました。

ライバルの同僚に、告げ口のようなこともされ、くだらないいじめも受けます。その方が昇格すると、暗たんたる思いになってしまいます。疲れてしまったり、自己評価が揺らいで卑屈になってしまったりします。

一度思い切ってキャリアチェンジを考えて、環境を変えたほうがよいでしょうか。どうしたら、前向きで、業務に集中するという、上田さんのおっしゃる姿を、どんな時も変わらず持ち続けられるでしょうか。

(37歳 女性 会社員)

大竹 剛(日経ビジネス):今回は、出産後に復帰してフルタイムで頑張っておられる37歳女性からです。

上田 準二(ユニー・ファミリーマートホールディングス相談役):なるほど。大変ですね。

 まあ、世の中、ダイバーシティー、ダイバーシティーなんて騒いでいますが、欧米と違って、日本ではダイバーシティーはなかなか進んでいないよね。多種多様な人材がそれぞれの能力を発揮して、そういった人が組織の中でみずみずしく活躍するというのが、ダイバーシティーということでしょうが……。

 特に「女性活躍」とも言われたりしますが、この点はまだまだですね。女性が結婚してお子さんが生まれれば、当然育児休暇などをとることになる。それからやはり時間的にも、夜遅くまで残業したり、飲み会に参加したりすることは、そう簡単ではない。

 上司は“飲みニケーション”を取ろうとしているようだけど、あなたは飲みニケーションはちょっとしんどいわけですよ。そうすると、そうじゃない人たち、女性社員、もちろん男性社員も含めてですが、周囲はどう判断するか。残念ながら、それがダイバーシティーが進んでいない、日本社会の現状かもしれません。

 制約された時間の中で、よほど突出した成果を出すとか、周囲の人以上に業務をうまくこなしているとか、そういうことであれば当然のようにプラス評価をされるべきですが、現実としてはそれはなかなかハードルが高いかもしれない。まずは、自分がそのような状態にあるということを、大前提として受け入れましょう。

 その中で、どうすれば自分のモチベーションを下げずに働けるかを考えるんです。そこに考えを集中したほうがいいですね。