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同じ業界にいても違う世界を見ることはできる

大竹:昨年ご出産したようです。

上田:子供の問題に関しては、最近イクメンなんて言うじゃないですか。夫も積極的に育児に参加する時代だよね。ご主人に専業主夫になれ、というわけにはいかないと思うけれども、ある程度のサポートはしてくれるはずなので、思い切ってやってみたらよいと思いますよ。

 まだ34歳なわけですし。

大竹:年齢のことも気にされているようですけど。

1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年に伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、99年に食料部門長補佐兼CVS事業部長に。2000年5月にファミリーマートに移り、2002年に代表取締役社長に就任。2013年に代表取締役会長となり、ユニーグループとの経営統合を主導。2016年9月、新しく設立したユニー・ファミリーマートホールディングスの代表取締役社長に就任。2017年3月から同社取締役相談役。同年5月に取締役を退任。趣味は麻雀、料理、釣り、ゴルフ、読書など。料理の腕前はプロ顔負け。(写真:的野弘路)

上田: 34歳なんてまだ若いよ。今の彼女の経歴を履歴書に書いて、ぜひそういった人材がほしいという会社があれば、どんどん応募してチャレンジしてみたらいいですね。しかし、誘いがなければ今の職場を辞めるのは無謀だね。

 辞めてから考えるのは良くないよ。今、ここでちゃんと仕事をこなしながら、いろいろな会社を自分で見てみたらいい。そのうえで、このような分野の仕事がしたいというものが見つかれば、応募してみたらいいと思う。しかし、そのような職場が見当たらないのに、いきなり辞めてから考えるんじゃダメ。

大竹:何をやりたいのかちょっと聞いてみたいところですね。ところで、上田さんはそういう転職をこれまでのキャリアの中で一瞬でも頭をよぎったことはありますか。商社、小売り、食品の世界から飛び出してみたいと思ったことは?

上田:まあ、商社に入った2年目ぐらいまでは、別のことをやりたいという思いはあったよ。でも、3年目からはこの道だと。そして、その後は流れの中でいろいろな転勤もしたし、出向もしたし。小売業に入ったのも、これは1つの流れの中で、その道をずっとひたすら歩いた結果でね。

 実は、大学時代は作家になりたいと思った。

大竹:そうでしたね。

上田:作家になるにしても世の中のことを何も知らない。経験もないやつが何を書けるんだと思って、とりあえず入ろうと思ったのが伊藤忠商事だった(笑)。

 僕は商社の畜産部のトレーダーの仕事をしていましたが、いろいろ職場は変わったけれども、それは全部違った世界でしたよ。海外に転勤した時も違った世界、それからスタッフ部門として仕事をしていた時も、ハム・ソーセージのメーカーへ出向した時も。そして、コンビニという全く違った世界に来ちゃった(笑)。

 それまでのキャリアが役に立ったかと振り返ると、多少は役に立ったかもしれないけど、ほとんど新しい仕事に移ると、それまでやっていた仕事とはまったく関係ない業務だった。