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精神的につらい時は小説を読もう

大竹:本ですか。どんな本がいいのでしょうか。

上田:哲学のような本は、読んじゃダメですよ。ますます不安がよぎって悩みが深くなるから。おすすめは小説です。

1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年に伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、99年に食料部門長補佐兼CVS事業部長に。2000年5月にファミリーマートに移り、2002年に代表取締役社長に就任。2013年に代表取締役会長となり、ユニーグループとの経営統合を主導。2016年9月、新しく設立したユニー・ファミリーマートホールディングスの代表取締役社長に就任。2017年3月から同社取締役相談役。同年5月に取締役を退任。趣味は麻雀、料理、釣り、ゴルフ、読書など。料理の腕前はプロ顔負け。(写真:的野弘路)

大竹:どんな小説ですか。

上田:伝記物だとか時代物だとか。『宮本武蔵』でもいい。強いて言えば、直木賞作品のような小説がいいと思いますね。

 例えば、こういう状態の時に読む本であれば、浅田次郎さんの作品などはいいかもしれない。いろいろな悩みなり、困難なりがある中で、それをどうやって克服して栄光をつかんでいくか、目標というものに対してどういう行動を起こしていくかという、そういうジャンルが多いですから。

大竹:元気が出る。

上田:そう、元気が出る。

大竹:先ほど、客観的に自分を見つめ直すことが大事だということをおっしゃいましたが、そのためにも小説を読むのがいいということですか。

上田:本を読んでいること自体がもう、自分自身を現実の問題や課題、悩みから別の世界に没入させていることですから。

大竹:なるほど。

上田:その小説の中で、自分が別の人生体験をしているわけです。小説の世界、バーチャルの世界で。

 何かに悩むということは、現実の世界にドボンとはまり込んでいるということですから。そうすると、別の世界に行って気持ちを落ち着かせたり、あるいは高めていったりすれば、リアルの世界の問題なんか小さなことだと思えてくるじゃないですか。

 

 それともう1つ、時間があればトレーニングジムなんか行って筋肉を鍛えるといいですよ。

大竹:筋トレですか。上田さんから意外なアドバイス(笑)。今の上田さんからはイメージしにくい。