女性医師は婚活に「苦戦しがち」?

 さて、話は変わり女性医師についてです。彼女らの恋愛・結婚市場は、少し言いづらいのですが基本的に「苦戦しがち」になるようです。つまり、タイミングを逃してしまうと結婚や恋愛には努力が必要になるということです。今の日本社会は男尊女卑がまだ色濃く残りますから、「自分より学歴や収入が高い女性とは結婚したくない」という男性もまだいるのでしょう。それが遠因であろうかと思います。

 女性医師は皆気がめちゃくちゃ強いとか、家事育児は全くやらないとか、酒を飲みすぎるとか、私の知る限りそういうことはあまりないと思います。皆育ちがよく、勤勉で、昔から真面目な人が多いという印象ですね。

 男性医師のところでもお話ししました、学生時代からの恋人と結婚する、というパターンの人は一定数います。が、それを逃すと、今度は研修医同期の男性医師と結婚するというチャンスがあり、それ以降は目立ったタイミングがありません。

 「それ以降」で結婚したケースとしては、34歳くらいになって25歳の男性研修医(恐らく指導医として接していたのでしょう)と結婚した、結婚相談所に登録し何十万円かのお金を投入して出会い結婚した、お手伝いをした一般企業で出会いがあり結婚した、など非常にバリエーションに富んでいます。

 他にも、お見合いという懐かしのスタイルで結婚する人は女性医師でたまに耳にします。そして、私の周りだけかもしれませんが、離婚率が異常に高いように思います。もちろん気が合わなければ離婚なんてさっさとしたほうがいいと思いますので、これはよいのですが。女性医師は経済的に高収入で安定し、また日本中どこでも仕事が必ずありますから、そういう高い自立性が関与していることもあるでしょう。また、医者という職業をやっているせいで、決めたら行動が早いということもあるかもしれません。

 男性、女性に分けて医者の恋愛・結婚をお話ししてきました。ある一定の傾向みたいなものはあるのですが、とはいえ今の日本社会ではあまり「医者だから結婚は○○」という強いクセはほとんどなくなっているように感じています。私が医者になった15年前は28万人くらいだったのが、今は38万人もいるのですから、多様性を増しているのかもしれませんね。

この連載が本になりました!
それでも君は医者になるのか

 現役の外科医であり、小説家の顔も持つ中山祐次郎さんの連載「一介の外科医、日々是絶筆」が、大幅な加筆・修正を経て本になりました!

 コロナ禍で医師という職業に注目が集まり、大学医学部の志望者が増えるといわれるなか、「医者の世界」の実像を嘘偽りなく、かつ面白く書いた意欲作です。

 今、医者になる意義とは何なのか。医者は本当に尊い仕事なのか。患者の死とどう向き合うのか。コロナ診療はやはり命懸けなのか。医者の給料は本当に良いのか。婚活では売り手市場なのか……。

 「医者の世界」に興味がある方や自分の子供が医者志望の方、シリーズ38万部を突破しドラマ化もされた『泣くな研修医』(中山祐次郎著)に感動した方も必読です!

まずは会員登録(無料)

有料会員限定記事を月3本まで閲覧できるなど、
有料会員の一部サービスを利用できます。

※こちらのページで日経ビジネス電子版の「有料会員」と「登録会員(無料)」の違いも紹介しています。

※有料登録手続きをしない限り、無料で一部サービスを利用し続けられます。

この記事はシリーズ「一介の外科医、日々是絶筆」に収容されています。WATCHすると、トップページやマイページで新たな記事の配信が確認できるほか、スマートフォン向けアプリでも記事更新の通知を受け取ることができます。